ギリシャ神話のゴーゴン三姉妹伝説を基にしたジョン・ギリングの脚本をテレンス・フィッシャー監督が映画化したハマー・プロ作品。大手コロンビアの配給を受けて、堅実な一本となっている。
20世紀初頭のドイツを舞台に、大学教授が村で起きた連続石化殺人事件の謎に挑む。
Synopsis:
ドイツの村バンドルフにボルスキ城があり、数十年前まである女性が暮らしていたと言われる。
村の娘サーシャが石になって死ぬ事件が起きる。放浪画家ブルーノの首吊り死体が発見され、彼が殺したということで決着した。
ブルーノの父ハイツ教授は信じられず独自に調査を進める。ある夜、ボルスキ城へ行ってゴーゴンの姿を見てしまい、徐々に石になっていく。しかし彼は最後の力を振り絞って、次男のパウルに手紙を残す。
パウルはマイスター教授のもとで研究生活を送っていたが、父の危急の知らせを聞き、飛んでやって来た。ところがハイツ教授は埋葬された後だった。パウルは父の仇を打たんと欲して、現地に残って父の手紙に書いてあった言葉の謎に挑む。現地の医師ナマロフが何かを察しているらしいが、尋ねても何も答えない。しかし助手のカルラは美しくパウルに同情的だ。
パウルがゴーゴンに襲われて九死に一生を得る。髪が白くなるほどの弟子の危難にマイスター教授が立ち上がる。マイスター教授は警察を動かして過去数年間に転入して来た女性を調べる。カルラもその中にいた。彼女は5年前に記憶喪失になっていた。ちょうどその頃からゴーゴンの被害が村に現れるようになった。マイスター教授はカルラにゴーゴンが憑依して月夜ごとに現れると考える。パウルは献身的なカルラを愛しており、その考えを真っ向から否定する。
実はナマロフもカルラを愛しているがためにカルラがゴーゴンであることを隠していたのだ。ナマロフとパウルはボルスキ城でカルラを巡って争うが、ゴーゴンが現れ二人を石化してしまう。その瞬間背後に隠れていたマイスター教授がゴーゴンの首を切り落とす。ゴーゴンの頭は次第に美しかったカルラのそれへと変わっていった。
Impression:
途中まで犯人が誰か分からない展開にしており、ホラーだがサスペンス性がある。
最後は教授が隙を突いて後ろからゴーゴンの首を跳ねるという荒業を見せるが、このゴーゴンは神話におけるメデューサのことだったのだろう。ゴーゴン三姉妹のうち、メデューサのみ首を刎ねられたら死ぬ運命だったから。
バーバラ・シェリーは「光る眼」で宇宙人の息子を腹に宿す役で出演していたが、あの時より数年たっているのに、カラー映画だからか、数段美しかった。でもゴーゴンもメイクアップをして演じていたんだな。
Staff/Cast:
監督 テレンス・フィッシャー
原作戯曲 J・レウエリン・デヴァイン
脚色 ジョン・ギリング
撮影 マイケル・リード
音楽 ジェームズ・バーナード
[amazonjs asin=”B0753K7F6P” locale=”JP” title=”妖女ゴーゴン DVD”]
出演
ピーター・カッシング ナマロフ医師
クリストファー・リー マイスター教授
リチャード・パスコ パウル
バーバラ・シェリー カルラ
マイケル・グッドリッフ ハイツ教授
パトリック・トラフトン カノフ
ジャック・ワトソン ラトフ