映画にもなった「グランド・ホテル」原作者ヴィッキ・バオムの小説「Montage on Life」をニコラス・レイ監督が主演モーリン・オハラ、共演グロリア・グレアム、メルヴィン・ダグラスで撮ったフィルム・ノワールだ。
あらすじ
歌手を辞めたいと漏らしていたスーザンが撃たれた。犯行現場にはマリアンがおり、彼女は自分が撃ったと自供する。弁護はスーザンに振られたばかりのマシューズ弁護士に依頼する。そこへスーザンに銃を渡したというリーというルイジアナの軍人が現れ、マリアンの恋人ルークと言い合いになる。
ルークはマリアンが嘘の供述をしていると信じて、ファウラー捜査官にマリアンとの出会い、そしてスーザンとマリアンの葛藤を語る。
そのとき一命を取り留めたスーザンだが、マリアンと口裏を合わせたような証言しかしない。
ファウラーの話を聞いていた夫人があることを閃き、ファウラーはルイジアナ州の保安官に電話を掛ける。
ファウラーは医師同伴のもとスーザンに改めて証言を求める。スーザンは前もって看護婦に新聞を読んでもらっていたことを指摘されると、諦めたように全てを打ち明けた。スーザンとリーは結婚していたのだ。ところが都会でスターになり現実とのギャップに悩み、神経衰弱になって銃を手元に置いた。それを取り上げようとしたマリアンと揉み合いになり、誤って自分で自分を撃ったのだ。
釈放されたマリアンは親身になってくれたルークに逆プロポーズする。
雑感
あまりニコラス・レイ監督のノワールな雰囲気は感じさせないコージー・ミステリーだ。ニコラス・レイはあまりパズル的な映画は向いていない。
歌手でもあったモーリン・オハラの歌声を楽しめる。グロリア・グレアムの歌は吹き替えである。また2人の銃の取合いシーンはキャットファイトみたいなものだから一見の価値がある。
この映画の後、グロリア・グレアムは急いで離婚してニコラス・レイと再婚した。
スタッフ・キャスト
監督: ニコラス・レイ
製作: ハーマン・マンキーヴィッツ
脚本: ハーマン・マンキーウィッツ
原作: ヴィッキ・バウム
撮影: ジョージ・ディスカント
キャスト
モーリン・オハラ マネージャーのマリアン
メルビン・ダグラス ピアニストのルーク
グロリア・グレアム 歌手スーザン
ビル・ウィリアムズ 兵士リー・クレンショー
ヴィクター・ジョリー 弁護士マシューズ
ジェイ・C・フリッペン ジム・ファウラー捜査官
ロバート・ワーウィック 地方検事
メアリー・フィリップス 名探偵ファウラー夫人