先週までと違い今週は雨は全く降らなかった。馬場状態は速い良馬場で先行有利だが、レース前に散水したらしい。
パドックではラストインパクト、デニムアンドルビー、キズナ、フェイムゲームの気合いが乗っていた。あまり天皇賞・春では良いことではない。ホッコーブレーブ、アドマイヤデウスに至っては小足を使っている。狙っていた二頭だけにこれはまずいと思った。返し馬で落ち着かせて欲しい。年かさのゴールドシップとウィンバリアシオンは落ち着いていた。
レースは枠入れで1番枠の2番人気ゴールドシップがごねてなかなか入らない。競技委員も何度も失敗してようやく覆面をして入れることができた。大外の3番人気アドマイヤデウスは先入れしていたからずいぶん待たされて焦れてしまった。
スタートではゴルシは出遅れなかった。しかし二の足がつかず結局殿から行く。逃げたのはクリールカイザー、押して三馬身ほど差を付けた。二番手にスズカでヴィアス、カレンミロティック、好位にタマモベストプレイ、ラブリーデイ。中団にはホッコーブレーブ、4番人気サウンズオブアースが行き、アドマイヤデウスは後方集団で掛かり気味、一番人気キズナは後ろから落ち着いて二番手を進む。
正面を向いて先行集団は変わらないが、アドマイヤデウスが完全にかかってしまい中団から好位に上がり、ゴールドシップが馬群の外に出してキズナを抜いていく。しかしゴルシ自身はやる気がなさそうだった。
向正面を向いて、ようやく横山ゴルシは押されて走る気になったようだ。じわじわ順位を上げていく。残り1000で好位に付けて坂の頂上を迎える。
坂の下りも手が動き、先行するカレンミロティックとともに先頭のクリールカイザーを捕まえられる位置に付ける。
キズナは残り600でようやく手が動き出したが、途中からペースが速すぎて直線勝負に切り替えたようだ。
四角ではまず内に入ったカレンミロティックが先頭に立ち、外を回ってくるゴルシを待つ展開。
ラストインパクトが後方最内から鋭い脚で迫るが、ゴルシはゴール前で先頭に立てば良いと馬が知っているかのようにじわじわと差を詰める。
残り200でカレンとゴルシの間にまだ1馬身差あったが、一完歩ずつ詰まり、残り数十mのところでゴルシがようやく先頭に立つ。すると直線を向いて前をサウンズオブアースらにカットされていた7枠フェイムゲームが外に顔を出してキズナを差し切り一瞬で先頭に迫る勢い。最後は内と外が離れて微妙な態勢だったが、ゴルシが残っていた。二着は直線一気の北村騎乗ダイヤモンドS連覇フェイムゲーム、三着は七歳騸馬カレンミロティックが見事な先行粘り。あとはラストインパクト、ネオブラックダイヤと1,2枠が掲示板に四頭上がっていた。
キズナには厳しい流れだった。脚部不安もあるしそろそろ引退かな。
ゴルシは一言で言ってこのレースを破壊した。この馬だけ1番枠なのに大外を回り3400mぐらい走っている。圧倒的な力でレースの流れを粉砕した感じ。ではまた同じことができるかというと、気まぐれだからわからない。京都コースが走らないと言う説は菊花賞馬に対して失礼だと思うが、気分屋であることは確かだ。ライスシャワーのこともあるから高齢の天皇賞馬は今後注意して使うべき。しかしステイゴールド産駒が三年連続で天皇賞・春制覇を成し遂げた。かつての春天V2馬メジロマックイーンの孫も初制覇。芦毛は白くなると弱くなると言われるが、この馬は三歳でG1三勝した後、四歳で白くなってからもG1を三勝したことになる。
フェイムゲームはハーツクライ×アレミロードが完璧なスタミナ配合だということを証明した。
長距離が苦手と思われていたカレンミロティック(ハーツクライ×A.P.Indy)も三着に入り、ハーツクライが高齢化すればスタミナがつくことも証明された。
残念だったのはウィンバリアシオン、入線後下馬して競走能力喪失が発表された。ついにG1を取れずに現役を終えた。
狙っていたのはアドマイヤデウスだが、パドックの危惧通りやはり大外で蓋が出来ず引っかかってしまった。
ホッコーブレーブも前半から掛かっていた。前に行きたいと言っていてその通りいつもより前の中団に付けていたが、マーベラスサンデー産駒だけに無理があったようだ。
今日は完敗だ。
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