囲碁棋士安井算哲(後の渋川春海)が素人ながら和算や天体観測に興味を持ち、誤謬や妨害に乗り越えてやがて幕府側の天文方リーダーになって改暦の大事業に乗り出しやがて達成する姿を描く。

 

安井算哲は囲碁棋士安井家の嫡男として生まれ、明日を約束されている身である。ある日将軍家綱 お目見えの御城碁で本因坊道策相手に初手天元の意表をつく手を放つ。しかしその碁は打掛となる。突然日食が発生したのだ。当時の宣明暦は唐の時代のもので二日ほど狂っていた。
算哲は算術に興味を持っていて当時の和算家関孝和とも交流があったが、これを機会に暦にも関心を持つ。そんな算哲を見て、会津藩主保科正之は算哲に日本各地を天測(天体観測)する旅に出るよう命ずる。
無事全国各地の天測を終えた算哲は幕府天文方に任じられ、水戸光圀に幕府独自の暦を開発せよと命じられる。

 

原作も脚本もいささか歴史を無視しているが、時代劇だから良いだろう。本来は地味な江戸時代の理科系の話だから少しぐらい派手なアクションを入れるのも許される。CGをフルに活用するのも今時の映画らしい。

 

ただ理科系の人間から言わせてもらうと、理論オンリーの授時暦がダメだったのだから貞享暦を設計する上でどこまでが理論でどこからが観測による成果なのか説明して欲しかった。

 

ベテラン勢がムッとしたジャニーズ系の連中は置いておいて、宮崎あおいはこういう時代劇でも無敵の可愛らしさだった。

天地明察 2012 角川/松竹

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