クーミンが珍しく浜口庫之助サウンドに挑戦したシングル(3枚目A面)である。彼女のシングル盤の中では年齢相応の真っ当な曲だ。
今になって見ると、クラスの人気者がカラオケで歌っているのを見ているような幸せな気分になる。(残念ながら当時はカラオケボックスはまだ普及していなかった)
浜口庫之助お得意のロッテ・チョコレートCMだが、正直言って同じような曲が多すぎて、これがどんなコマーシャルだったか覚えていない。

当時、クーミンは前年に大林映画「HOUSE」に出演して我々より上の世代に注目されていた。
しかしこの曲の後、2代目「コメットさん」に主演して、シングル「エトセトラ」を発売し、ターゲットをより低い世代に設定してしまった。その頃から超アイドルになり仕事量が多くなってストレスが溜まってしまい、体調を崩し全盛期に歌手業を引退することになってしまった。

 

クーミンの場合は「コメットさん」というキャラに出会ったばかりに、あまりに人気者になりすぎた哀しさだ。
九重祐三子初代「コメットさん」をリアタイで完全に見ていたが、コメットさんを演じたからと言って本業の歌手に支障が出ることはなかった。
クーミンの場合は、浅田美代子ちゃんを継ぐ正統派アイドル歌手になったろうに残念だ。

 

クーミンといえば忘れていけないライバルがいる。「あなたをスターに第2回グランドチャンピオンになり、クーミン(審査員特別賞)を破った森田つぐみだ。

大阪府豊中市出身の子なのに、76年にデビューしてから東京ローカルにばかり出演して目立たず、76年12月の「恋して海岸通り/冬の哲学」が最後のシングルとなった。最後の二曲はこてこての歌謡曲だったが、73年ならまだしも流石にピンクレディー人気が凄かった77年に売れるわけはなかった。

 

大場久美子 「大人になれば」 1978

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