竹下恵子の朗読である。
登場人物がほとんど女なので、安心して聞ける。
子供の頃、迷子になり神田に住む今の養親に育てられて大きくなったおすぎ。
そんな彼女に深川の大店の奥方が、私が実の母親だと名乗りを上げた。
しかし彼女は一向に昔のことが思い出せない。
やがて彼女は嫁ぎ、一子をもうけるが、ある日夫婦げんかをして家を飛び出す。
子供は母親を追いかけてくる。
それは自分が母とはぐれた風景だった。

藤沢周平と言うと、山田洋次監督の映画のおかげで、侍物のイメージが強いが、町人物も得意だそうだ。
山本周五郎みたいに突き放した感じがなく、暖かい作品が多いようである。
この噺も泣ける。
そんな凄い作品ではないと思うが、竹下景子の感情移入が素晴らしい。
ぐっとくる。

夜の道 藤沢周平 新潮CD

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