成瀬巳喜男川島雄三の合同監督でのカラー作品。
若い司葉子と母親の山田五十鈴のそれぞれのシーンをダブルシステムで撮った実験的作品でもある。
共演陣も三橋道也、宝田明、草笛光子、市原悦子、水谷良重、横山道代、星由里子、志村喬、白川由美、北村和夫、中丸忠雄、岡田真澄、越路吹雪と東宝らしく超デラックス。

 

 

山田五十鈴は料亭の雇われマダム、スポンサーにしつこく口説かれる。
彼女は板前の三橋達也といい仲である。
そうとは知らず娘の司葉子も三橋に入れあげる。
ところが病院で母親と三橋が抱き合っているところを見てしまう・・・

 


市原悦子の自殺未遂事件あり、草笛光子の無理心中事件あり、水谷良重の集団強姦事件ありとエピソードには事欠かない。
いつもの成瀬とは違って川島が加わってテンポは良い。
しかしイマイチまとまりに欠ける。
ダブルシステムでストーリーが細切れになっているせいもあるだろう。
芸者衆の草笛光子らの水着シーン(お宝映像だ)がある。
水谷良重は昔はずいぶんとポッチャリしていたのだなあ。
それでいて背が高い。
白川由美はやっぱり怒り肩だ。
司葉子は作品によって美人にもなるしブスにもなる。
この映画はブスな方だ。
山田五十鈴はおばさん顔してるが、腹の底ではメスである役どころだ。
娘の司葉子もその毒気に当てられたのだろう。
せっかく芸者になるラストシーンも残念ながら、あまり美しくなかった。

夜の流れ 1960 東宝

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