東大工学部卒で当時航空自衛隊員だった丘美丈二郎が原案で香山滋 、木村武が脚色した宇宙戦争ものを本多猪四郎が監督した作品。特技監督は円谷英二。
登場する巨大ロボットはモゲラである。
あらすじ
富士五湖の西湖で山崩れが起きて集落が全滅した。さらに地中からモゲラが現れた。これは特殊合金を使った電波ロボットだった。
安達博士は山崩れの際に姿を消した亮一のレポートを読むと、ミステリアン星人が地球にやって来たとある。彼らは水爆戦争で自分たちの星を失ったらしい。
やがて湖からミステリアン・ドームが競り上がってきて、有識者五人を内部に招いた。そして西湖周辺の半径三キロの土地の割譲を求める。
彼らはモゲラを使い地下を自由に往来できるため、土地を一部でも渡せば、日本全国を支配したことになる。これを日本に対する侵略とみなして、攻撃することとなった。
ミステリアンの科学力に憧れて国を売った亮一は、譲治にミステリアンと戦うなと伝える。
攻撃は開始されるが、戦車は効果がなかった。ドームから緑色の怪光線が発射されると戦車は溶けてしまう。
日本は窮状を国連に訴え、地球防衛軍が結成される。航空艇アルファ号が攻撃したが、ビクともしない。
そんなときミステリアンに亮一の元婚約者広子と妹江津子が拉致された。
地球防衛軍はマーカライトを作った。それはミステリアンの金属にダメージを与える熱光線を発射でき、なおかつ敵光線を反射する優れものだ。また敵内部から撹乱しようと譲治は単身ドームに侵入する。
マーカライトで攻撃すると、ミステリアンは報復として湖を氾濫させ、市街地を沈めた。
譲治は機関室を破壊する前にミステリアンに捕えられ、江津子らの部屋に連れて行かれる。しかし地球人を征服することしか考えないミステリアンに絶望した亮一は譲治たちを逃がしてやり、機関室を完全に破壊する。新たに導入したベータ号の熱線攻撃も有効に働いて、ドームは爆発しミステリアンの乗った円盤は宇宙に逃げ去る。
雑感
ハリウッドで「禁断の惑星」を撮った翌年の宇宙戦争映画である。「宇宙戦争」と比べると、ハッキリした敵の弱点が見つかりそうになかった。しかし国連で新兵器マーカライトを発明してから、地球防衛軍が優勢となり、最後は亮一の勇気ある行動でとどめを刺した。
亮一は婚約者と妹が拉致されたことを恨んで、寝返ったのだろう。
ただバルタン星人のように敵に余力があれば、弱点を補ってまた来るぞ。
白川由美の入浴シーンあり。
スタッフ・キャスト
監督 本多猪四郎
製作 田中友幸
製作総指揮 森岩雄
原作 丘美丈二郎
脚色 香山滋 、 木村武
撮影 小泉一
光学撮影 荒木秀三郎
特技監督 円谷英二
音楽 伊福部昭
配役
天文台職員渥美譲治 佐原健二
天文学者白石亮一 平田昭彦
妹江津子 白川由美
亮一の元婚約者岩本広子 河内桃子
安達博士 志村喬
川波博士 村上冬樹
浜本国防庁長官 山田巳之助
森田司令 藤田進
関隊長 伊藤久哉
山本二尉 中丸忠雄
杉本司令 小杉義男
ミステリアン統領 土屋嘉男