中国の核開発を扱う戦争アクシ ョン映画。
デイヴィッド・ヘムプステッドの原作をジェシー・L・ラスキー・ジュニアとサミュエル・フラーが脚色し、サミュエル・フラーが監督した。
主演はリチャード・ウィドマーク。
共演は、ポーランド生まれの新人ベラ・ダーヴィ、ヴィクター・フランサン、キャメロン・ミッチェル。
テクニカラー作品。
あらすじ
フランスの世界的物理学者モンテル教授と女性のデニーズ教授が、学会を前にして突然姿を消してしまう。
マニラで働いていた元米潜水艦長アダム・ジョーンズは、テイラー大佐に呼ばれて東京へ赴く。そこで行方不明だったモンテル教授とデニーズに出会う。ところが彼らから、テイラー大佐の乗った飛行機が、北極海へ偵察に行って敵に撃墜されたと知らされる。テイラー大佐は、ソ連の指導のもとに中国赤軍が、ある島で核兵器を開発しているのではないかと推測していた。
ジョーンズはかつての戦友たちと、モンテルとデニーズを連れて、旧日本軍潜水艦に乗り組み北極海に向かった。ジョーンズの潜水艦は、国籍不明の貨物船を発見する。どうやら、赤軍の輸送船で北極の基地に向かうらしい。
しかし、ジョーンズの潜水艦も中国の潜水艦に尾行されていた。ジョーンズは、慌てて艦のエンジンを停止する。敵も同様に停止したので、我慢合戦になった。ジョーンズの旧式潜水艦内部は、灼熱地獄となり、我慢できず浮上する。敵の潜水艦も気づいて浮上する。そこでジョーンズは、一か八かで艦を敵に体当たりさせると、見事に中国艦は沈んでしまう・・・。
雑感
サミュエル・フラーの潜水艦映画だが、いつもの冴えは見られない。やはり、リアルファイトの方が、この人の演出は光る。
リチャード・ウィドマークを主演に使う場合は、女性は必要ないのではないかと思う。
他に主演男優がいて、ウィドマークが仇役なら、間に挟まり悩む女性ヒロインは必要だ。
アメリカは、ソ連を仮想敵国にしていながら、映画で敵国として扱いにくい。検閲上も問題があったかもしれない。
そこで朝鮮戦争のように、ソ連の代理で軍隊を動かしている中国を、敵国として戦争映画を作ることが意外に多い。今から見れば、アメリカは本当の敵が中国になることを知っていたかのようだ。
スタッフ
製作 レイモンド・A・クルーン
監督、脚色 サミュエル・フラー
脚色 ジェシー・L・ラスキー・ジュニア
原作 デイヴィッド・ヘムステッド
音楽 アルフレッド・ニューマン
撮影 ジョー・マクドナルド
特殊効果 レイ・ケロッグ
キャスト
アダム・ジョーンズ艦長 リチャード・ウィドマーク
デニーズ教授 ベラ・ダルビー
モンテル教授 ヴィクトル・フランサン
スキーことブロードスキー キャメロン・ミッチェル
ホルター機関長 ジーン・エヴァンス
ダグボート・ウォーカー デイヴィッド・ウェイン
ニューマン スティーブン・ベカッシー
***
小島に貨物船が到着する。島に上陸したモンテルは、敵兵に発見され負傷する。モンテルらを回収したジョーンズの潜水艦は、敵の本拠地であるケヴロク島に到着し、デニーズとジョーンズが上陸し、核爆弾の倉庫があることを発見する。ジョーンズは、中国兵の捕虜から、奪ったB29に核弾頭を積んで満州を爆撃し、在韓米軍がしたように見せかけて、第三次世界大戦を起こす計画を聞き出す。
翌朝、体調不良のモンテルは、特攻隊として島に潜り込む。ジョーンズは、ドニーズになぜ怪我人を行かせたのだと詰問する。ドニーズは、モンテルが父であることを告白する。
敵の載るB29が離陸すると、ジョーンズは対空射撃を与えて、再び潜水した。故障した敵のB29は、ケブロク島に着陸しようとして、なぜか失敗して核爆発を起こした。
再び潜水艦が浮上したときは、ケヴロク島はモンテル教授とともに、影も形も消えていた。