吹き替えの王道を行く本だ。
有名声優20人をフィーチャーして、インタービューを取っている。
メンツは以下の通り。
広川太一郎(トニー・カーチス、ロジャー・ムーア他ハチャメチャ系)、
羽佐間道夫(ロイ・シャイダー他ハチャメチャ系だが皇室御用達)、
野沢那智(アラン・ドロン)、
中村正(デビッド・ニーブン、「奥様は魔女」のオープニングナレーション)、矢島正明(ロバート・ボーン他UFO番組のナレーション)、
大塚周夫(ネズミ男)、
森山周一郎(刑事コジャック)、
山田康雄(クリント・イーストウッド、ルパン三世)、
納谷悟郎(チャールトン・ヘストン、銭形警部)、
池田昌子(オードリー・ヘップバーン)、
向井真理子(マリリン・モンロー)、
小原乃梨子(ジェーン・フォンダ、のび太)、
富田耕生(アーネスト・ボーグナイン、二代目バカボンのパパ)、
田中信夫(シドニー・ポワチエ、探検隊もののナレーション)、
内海賢二(二代目スティーブ・マックイーン、則巻千兵衛)、
黒澤良(ゲイリー・クーパー)、
久米明(ハンフリー・ボガード)、
城達也(グレゴリー・ペック)、
小林昭二(ジョン・ウェイン)、
若山弦蔵(ショーン・コネリー)。
死んだ人も多く、その場合は友人代表にお願いしてる。
額田やえ子(吹き替え脚本作家)に対して、ロングインタビューも試みている。
素晴らしい内容なのだが、ちょっと物足りない点があった。
著者が女流漫画家だからだ、と思うが、おばさん役の声優を無視している。
サザエさんの舟さんでありロッテンマイヤーさんでもある、(麻生美代子)は映画の吹き替えでも偉大な人ではないのか?
ちょうど「クリスタル殺人事件」を吹き替えでやっていた。
アンジェラ・ラズベリーが高橋和枝である。
森光子がアンジェラを当てた「murder,I wrote」のおかげで森=アンジェラになってるようだが、あの顔は高橋がやるべきだと思う。
ルシル・ポールにしたってそうだ。
高橋が亡くなったから、今さら仕方がないのだが。
納谷悟郎が若い声で、エドワード・フォックスを当てていた。
あれは二十年前の吹き替えだ。
今では無理だろうな。

吹替映画大辞典 とりみき 三一書房

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