谷崎潤一郎は、南北朝についての小説を構想していた。
そんなとき一高時代の友人から、吉野へ来ないかと誘われる。
義経が一度は落ちた吉野には、静伝説とともに数々の秘宝が隠されている。
それらとともに、友人の亡き母の思い出がよみがえる。
随筆か小説か、よくわからない作品だ。
しかし、谷崎の筆は好調である。
平幹二郎の朗読。
泉鏡花ならぴたりだと思うが、谷崎には色が付きすぎる。
うますぎるのだ.
小池朝雄の朗読でも感じたが、抑揚を付けすぎだ。
市原悦子も若い頃はそうだったが、やがて抑揚を抑えた話法を身につけた。
谷崎も文体が派手だから、地味に読む方が良いと思う。
原作:
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