「花嫁の父」の続編を描いた作品。
前作と同じ監督のヴィンセント・ミネリ、脚本のアルバート・ハケット、フランセス・グッチドリッチ、製作のパンドロ・S・バーマン、撮影のジョン・アルトン。
主演も同じくスペンサー・トレイシー、エリザベス・テイラー、ジョーン・ベネット。
共演はドン・テイラー、ビリー・バーク、モローニ・オルセン。白黒映画。
あらすじ
娘のケイがバックリーと結婚して数ヶ月経って、父スタンリー・バンクスは自分の娯楽を楽しもうとしていた矢先、娘が妊娠したことを告白する。妻エリーは喜んだが、スタンリーは、爺さんになるのかと寂しくなった。
今の家が独身夫婦用なので、娘夫婦の新居が問題になったが、若夫婦は自分でローンを組んで新居を建てて、親たちを安堵させた。しかし内装については妻のエリーが張り切って仕切ったが、子供部屋の内装については舅と姑が譲らなかった。
こんどは赤ん坊の名前のことで親たちが騒ぎはじめた。ケイは些細なことで浮気を疑って家出までしたが、その夜の内に収まる。
臨月になり、ケイは病院で無事男の子を生んだ。赤ん坊はスタンリーの顔を見るとすぐ泣き出す。
6ヶ月経ち、ケイは赤ん坊を実家にあずけて旅行に出かけた。スタンリーは日曜も公園に乳母車を押していった。赤ん坊が乳母車内で寝ついたのを見て、スタンリーは少年たちとフットボールをした。戻ると乳母車がない。びっくりした彼は慌てて警察に駆け込んだ。お巡りさんに囲まれた赤ん坊は、スタンリーの顔を見てはじめて笑った。
教会で洗礼が行われ、牧師は赤ん坊に祖父の名前を採ってスタンリー・バンクスと命名した。お爺ちゃんの自覚が出たスタンリーは幸福な気分だった。
雑感
我々にとっては、非常に楽しい映画だった。スペンサー・トレイシーは喜劇俳優としても超一流である。とくに前作から見ていると、感激一入である。
エリザベス・テイラーは、ヒルトン・ホテル創業者の御曹司ヒルトン・ジュニアとの結婚後流産してしまい、結局1月に離婚した。ヒルトン・ジュニアの飲酒癖が原因と言われる。そのおかげでテイラーは傷心だったから、イヤイヤ演じていたそうだ。
次回作は「陽の当たる場所」。こっちはテイラーの望んだタイプの映画だったようだ。
スタッフ
監督ヴィンセント・ミネリ
製作パンドロ・S・バーマン
脚本アルバート・ハケット、フランセス・グッドリッチ
原案エドワード・ストリーター
撮影ジョン・アルトン
音楽アルバート・センドリー
キャスト
スタンリー・バンクス スペンサー・トレイシー
妻エリー・バンクス ジョーン・ベネット
娘ケイ・ダンスタン エリザベス・テイラー
娘の夫バックリー ドン・テイラー
娘の姑ドリス ビリー・バーク
娘の舅ハーバート モローニ・オルセン
警官 リチャード・ロバー
家政婦デライア マリエッタ・キャンティ
息子トミー・バンクス ラスティ(ラス)・タンブリン
息子ベン・バンクス トム・アイリッシュ
ノーデル医師 ヘイドン・ローク
ギャルズワージー ポール・ハーヴェイ