私とほぼ同年代のサラリーマン・ラノベ作家の佐島勤が7年前に発表し、大好評を得て
4年前にアニメ化されこれまた好評を呼び、昨年劇場版アニメ映画が作られた。

映画は魔法科高校二年生直前に司波達也を中心とする気心の知れた一年生グループで羽目を外そうと南の島ハワイへ繰り出した達也たちだったが、そこには日本海軍やアメリカ軍の陰謀が蠢いていた。

日本海軍が子供たちの魔法力を集めて、衛星軌道から落とす実験をしていたが、あまりに上司のやり方が非人道的なので、助手が子供たちの一人九亜(ココア)を逃すことに成功する。ところが七草家のプライベートジェットに逃げる予定が、近くに停まっていた達也たちのジェットの方に逃げ込んでしまう。
ここから達也たちが大きな陰謀に巻き込まれる。

映画の出来としては、平均点だ。必要ないお色気シーンで間を繋いでいたが、肝心のアクションシーンの盛り上がりは今ひとつであり、欲求不満が残る。
エイトビットに制作プロが変わったが、作画にムラなく安定していた。

それよりシナリオに問題があったのだろうか?

お兄様があまりに強いことはわかっていたから、お兄様のアクションシーンにときめくものは最早無かった。

そうならば、脇役を存分に使いこなして、暴れさせればいい。
それもいつものメンバーでなく、目新しいメンバーが良い。
その点、この映画はシナリオに意外性のかけらも無かった。
まさにアニメ界の水戸黄門のようになっている。おそらく原作者が水戸黄門のままで良いと達観しているのだろう。

この絵を見ていると、大人達の浅知恵のおかげでほのかちゃんの胸が急に膨らんだような気がする。

ラノベを読み込むほどのマニアならば良いが、「魔法科高校の劣等生 来訪者編」(この劇場版の直前に起きた事件)について漫画さえも読まずに観劇すると、突然金髪少女の日笠陽子が登場するあたりから、見ていて何か大事なものを隠されている気になる。

土壇場で制作会社が変わって、隙間を埋めるOAVを用意する暇がなかったのだろうが、それにしても省略が激しい。「来訪者編」はスケールの小さい話だが必要だから、こちらを最初に映画化すべきだったのだ。

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テレビアニメの第二期だが、期待薄だろう。OAVで何枚かでれば良い方だろう。
ただしアニメ業界はヒット作がなかなか出ない状況だから、低予算で作らせるかも知れないが。

劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女 2017 エイトビット/アニプレックス

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