花澤香菜主演で平野綾や水樹奈々を脇に使う豪華なアニメ映画。ラノベシリーズを題材にしているが、長いシリーズ全体をわずか100分ほどにまとめているから、初めての人には何のことかわからないという欠点がある。観客にある程度、文学的想像力が求められる作品。
心葉(このは)の望みは、何事もない平和な毎日。高校入学後のある日、“文学少女”を名乗る先輩遠子が小説を食べるシーンを見てしまい有無を言わさず文芸部に入れられる。クラスメートの図書委員ななせや親友の芥川に囲まれ楽しい日々を送っていた。
しかし病院でファムファタール美羽と偶然、再会してしまう。
彼女は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の「カムパネルラの望み」という言葉とともに彼の前から姿を消していた。
相手役は映画でよく花澤と組む入野自由。彼と美羽のトラウマを遠子が明らかにしてついでにその解決までやってしまう。
飛躍がある場所はすぐわかる。小説は読んでいなかったが、穴を埋められないほどではない。
ただ欲を言えば映画ではなくて、連続テレビアニメにして欲しかった。
劇場版”文学少女” 2010 エンターブレイン