シュンとナオミの青春残酷物語。
素人出演のドキュメンタリータッチかと思うと、途中から精神分析シーンや回想シーンがふんだんに取り入れられている。
教護院上がりのシュンは少年愛嗜好がある彫金師に引き取られ、集団就職で上京したナオミはヌードモデルをやっている。
ある日、二人は出会いラブホに入るが、シュンの方が何もできなかった。
彼は少年愛の被害者であり、自らはロリコンだったのだ。
シュンは少女を裸にしたことを通報され精神病院に入れられる。
退院後、ナオミを探すと、彼女は変態レズビアンショーで働いていた。
救いのない話だ。
羽仁進作品はジョン・カサベテスに通じるところがある。
しかし道の真ん中でラーメン屋が丸裸になってポーズを取るシーンは、ゲリラ撮影だったようだから、あとで警察に払い下げに行ったんだろう。
ドキュメンタリータッチは羽仁進のものだが、回想シーンが何か見覚えがあると思ったら寺山修司が脚本参加していた。
中学生日記の風間先生が、ひげの変態愛好者の役で登場する。
演技は先生のときと同じだった。
それから眉毛の濃い養父役の満井幸治、どう見ても素人出演だが、少年愛嗜好者を演じている。
ほんとうにその気がある人だろうか?
監督 羽仁進
脚本 寺山修司 羽仁進
製作 藤井知至
撮影 奥村祐治
出演
高橋章夫 (シュン)
石井くに子 (ナナミ)
満井幸治 (養父)
福田和子 (養母)
宮戸美佐子(実母)
湯浅実 (安国寺)
初恋・地獄編 1968 ATG