1976年の秋から始まり、いつの間にか(調べると1984年4月)終わってしまった。ニッポン放送日曜日午後9時から1時間番組(後に午後11時から1時間)だった全日空ミュージック・スカイホリデーだ。
パーソナリティは滝良子(通称そらまめ)、熊本放送アナウンサーを足がかりにフジテレビのアシスタント、TBSパックインミュージック水曜二部DJ、TBSいすず歌うヘッドライトDJを歴任した後、ニッポン放送に鞍替えしこの番組を担当した。作家で元文化放送アナウンサー落合恵子と同じ歳の1945年生まれで10日だけ滝が若い。
このことにより滝がどういう芸風か分かると思う。わかりやすい言葉を使って、お便り紹介中心で誰にも聞ける番組を作ってきた。音楽は少し前に流行った洋楽ポップス、ニューミュージックの類いを掛けていた。奇を衒うことの無い安定した番組だった。
この番組の背景には、やはりFM東京系で67年から続く日航提供番組「JET STREAM」がある。あちらは平日深夜0時から1時間番組で、必ずしも全員が聞けないFM放送であり国際線重視らしくイージーリスニング中心の選曲、城達也の短いスクリプトとかなり聴取者を選ぶ番組だった。
一方76年当時全日空の置かれた状況はかなり苦しいものだった。71年の雫石事故(自衛隊機と全日空旅客機の衝突事故で乗客全員死亡、民事責任割合は自衛隊2と全日空1だった)に続き、76年2月ロッキード事件が起きて後に若狭社長の外為法違反、議会証言法違反の有罪が確定する。当時は全日空の方が日航よりイメージが悪かったのだ。そこで国内旅行の分野から立て直そうと、このような誰にもフレンドリーな番組を企画したのだ。
全日空ミュージックスカイホリデー1
全日空ミュージックスカイホリデー2
全日空ミュージックスカイホリデー3
全日空ミュージックスカイホリデー4
2009年10月から久しぶりに滝良子の「ミュージックスカイホリデー」は全日空の提供を離れて一年間復活したが、その後はラジオを離れてたまにトークショーを行っているようだ。