十二代将軍家慶の治世。
前触れの矢文を放ち、お江戸を暴れ廻る盗賊「疾風」。
遠山左衛門尉、必死の探索もはかばかしくない。
ある日、疾風の矢文が旗本大野柳斉のもとへやってきた。
大野は妾の兄伊丹と池ノ端の万五郎に警護を依頼する。
若き日の伝七も万五郎配下として参加していた。
歌うスター高田浩吉の当たり狂言だ。
この作品はシリーズ最初の頃のもので、高田演ずる伝七とお俊が夫婦になる前のエピソードだ。
お俊は月丘夢路が演じる。
のちにこの役は草笛光子や福田公子らも演じている。
松竹時代劇というのは、なかなかスターを揃えられないのだが、
この作品は大映から長谷川裕見子を借りてきて(のちに東映に移籍)、
悪女に抜擢しているのが成功している。
のちの船越英二の奥方である。
キャスト
高田浩吉 (若き日の黒門町の伝七)
薄田研二 (伝七の親分、池の端の万五郎)
月丘夢路 (恋人お俊、万五郎の娘)
若杉英二 (遠山左衛門尉)
伴淳三郎 (下っぴき、獅子ッ鼻の竹)
三島雅夫 (有力旗本大野柳斉、最初に3000両盗まれるが・・・)
藤代鮎子 (妾お越、すぐ殺される)
長谷川裕見子 (妾お蘭、大映からの客演だけに裏はありそうだ。)
近衛十四郎(お蘭の兄?伊丹重四郎、伝七は早くからこの男に目をつける。)
スタッフ
監督 : 松田定次
原作 : 捕物作家クラブ(土師清二、佐々木杜太郎、野村胡堂、城昌幸 、陣出達朗 の共作)
脚色 : 成澤昌茂
伝七捕物帖 人肌千両 1954 松竹