七人の無頼漢に愛妻を殺された元保安官ストライドは復讐のため犯人を探す旅に出る。道中、若い夫婦さらに昔逮捕した男と道連れになるが・・・。

監督バッド・ベティカー、脚本バート・ケネディ、主演ランドルフ・スコットの黄金トリオによる名作西部劇。製作にアンクレジットでジョン・ウェインが加わる。共演に若き日のリー・マーヴィン他、名脇役が揃っている。

あらすじ

ストライドは強盗団を追っていた。雨の中そのうちの二人を発見し射殺した。

彼はニューメキシコ州フローラビスタに向かう道中で、幌馬車に乗ったグリア夫妻と出会った。夫妻はカリフォルニアを目指していると言う。この辺はネイティブ・アメリカンのチリカウアイ族百人がいて危険なため、フローラビスタまで同行することにする。

その後、駅馬車の中継点でクリートと昔逮捕したことのあるマスターズという2人の男を仲間に加えた。
実はフロリダ州シルヴァースプリングスの元保安官ストライドは浪人時代に、7人組の無頼漢が輸送会社で働いていた妻を殺したうえに輸送用の2万ドルもの大金を強奪した。そこでストライドは一人で復讐の旅に出たのだった。強盗は残り五人でフローラビスタで合流するはずだった。

途中でチリカウアイ族に紛れて、一人の白人ガンマンがストライドの命を狙う。マスターズが射殺したが、その男は三人目の強盗だったらしい。

やがてマスターズらはジョンの妻アニーにストライドの過去の駆け落ち話をしてしまい、ストライドに殴られて仲間から外れる。

マスターズらは先回りしてフローラビスタで強盗団の首領ボディーンと会った。ボディーンは奪った金をグリアの幌馬車で運ばせていることを教える。

一方、ストライドは襲撃してきたボディーンの手下二人を何とか倒すが自らも足に負傷を負い、グリア夫妻に看病される。
気を失っていると、ジョンがアニーに秘密を告白している。ふとストライドが聞き耳を立てると、ジョンはボディーンに大金を届ける途中だと言っている。ジョンが雇われた運び人だったのだ。ストライドは立ち上がり、その金をここに置いてカリフォルニアまで逃げろと言う。

しかしジョンは馬鹿正直にもフローラビスタに行き、ボディーンにストライドが金を持って待っていることを告げて、自分は保安官事務所に向かう。ボディーンはそんな彼を背中から射殺して、ストライドの居場所に残った仲間一人と向かう。

やがて彼らは金が置き去りにされているのを見つけ、ボディーンの手下が持ち去ろうとしたところを隠れていたストライドは狙い撃つ。残るボディーンはマスターズとクリートが射殺した。そして金を巡ってクリートをマスターズが射殺して、ストライドとついに一騎打ちになる。しかし足を負傷しながら目に見えないスピードの早撃ちでストライドはマスターズを倒す。

輸送会社に無事に金を引き渡した後で、ストライドはアニーに別れの挨拶を告げる。彼はシルヴァースプリングスで保安官助手になるつもりだ。馬に乗って去っていく彼をアニーは見つめる。初めは夫を失ってもカリフォルニアへ行くつもりだったが、アニーはしばらくフローラビスタに逗留して将来のことを考え直すつもりになった。

雑感

映画「シェーン」のような終わり方かと思ったけれども、含みを残したようだ。
強盗団は七人だったが、マスターズら二人が仲間に入って合計九人に増えたと思った。でもマスターズが敵の親玉ボディーンとクリートを倒したから、主演ランドルフ・スコットは原題通り最後に七人倒したことになる。

面白かったが、編集が適当なのでカットしすぎだと思った。完全版があればぜひ見たい。

フィルムの保存状況が甘いのか、少しフォーカスがボケているが、何故か嵐の夜リー・マーヴィンがストライドの過去をばらすシーンは、リー・マーヴィンにフォーカスがピッタリあって、陰影もはっきり出ていてそこだけHD映像だった。カメラマンもそこはリー・マーヴィンだけ気合を入れて撮影したようだ。やはり次世代スターは誰の目にも明らかだったのだろう。

ジョン・ウェインは自分のプロダクションで制作し自らが主演するはずだった。ところがジョン・フォード監督の「捜索者」(世界映画史上ベスト20に入るクラスの映画)に主演することが決まり、慌ててゲイリー・クーパーにオファーを出したが断られ、ランドルフ・スコットに主演が回って行った。ランドルフ・スコットはB級スターだから、もうあまり省みられないが、この映画は「捜索者」ほどではないにしても、ジョン・ウェインが主演していたらもっと上位に入ったろう。

ゲイル・ラッセルにとっては1950年以来久方ぶりの復帰作。彼女は戦中戦後に掛けジェン・ウェインと共演して映画スターになるが、アルコール中毒になって6年も干されていた。この五年後にアルコール中毒による肝臓障害で突然死する。

スタッフ

監督 バッド・ベティヒャー
脚本 バート・ケネディ
原案 バート・ケネディ
製作 アンドリュー・V・マクラグレン、ロバート・E・モリソン、ジョン・ウェイン(クレジットなし)
音楽 ヘンリー・ヴァース
撮影 ウィリアム・H・クローシア
主題歌 「七人の無頼漢」 ダナム&ヘンリー・ヴァーズ (兄弟コーラスだが、厚みがあって非常に力強い。正義を意識させる)

キャスト

元保安官ベン・ストライド:ランドルフ・スコット
アニー・グリア:ゲイル・ラッセル
ビル・マスターズ:リー・マーヴィン
ジョン・グリア:ウォルター・リード
悪党ボディーン:ジョン・ラーチ
クリート: ドン・バリー

七人の無頼漢 (7 Men from Now) 1956 バットジャック・プロ製作 ワーナー・ブラザーズ配給

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