低気圧の影響は土曜の午前でなくなり、爽やかな五月晴れと言うよりムッとする夏日の中、府中G1第二戦ヴィクトリアマイルが行われた。
このレースで人気馬が不安要素を抱えていて、一筋縄でいきそうにない。
まず一番人気ヌーヴォレコルトは今年初戦の中山記念で皐月賞馬ロゴタイプと競り合って勝つほど、牡馬に対しても並んだら強い馬だが、はたして1分32秒前半のスピード決着に対応できるだろうか?何の保証もない。
二番人気ディアデラマドレは1800m以上の中距離馬だ。貯めてこその追い込み脚だが、休み明けマイラーズCは31秒9の上がり一位でありながら7着に終わり、二走ボケ+時計不足が心配される。
三番人気レッドリヴェールは道悪要員であって高速馬場では消し対象。
と言うことで頭は四番人気カフェブリリアント以下が狙い目になるべきだ。
しかしカフェブリはステイヤータイプの父ブライアンズタイムが気にかかる。ほかにもこのレース向きの種牡馬フジキセキの娘ストレイトガール、芦毛の追い込み馬スマートレイアー、昨年の二着馬メイショウマンボ、福島牝馬Sで初重賞を勝ったスイートサルサ、豪州G1馬ハナズゴールなどが面白そう。
それから前日複勝人気で京都牝馬S優勝以来の休み明けケイアイエレガントが6番人気まで上がっていた。関係者が買ったのだろうが昨年の6着馬だし今年G1で活躍するキングカメハメハ産駒だし、かなり怪しい。
パドックではケイアイエレガントが休み明けらしく10キロ増の福々しい馬体を見せている。少し買う気が失せる。
ヌーヴォデコルトは久々のアイル戦で陣営は気合いを乗せてきたが、何かいやな感じがする。
カフェブリやストレイトガールは良い気合い乗りだ。
結局、難しすぎてこのレースは見することにした。
スタートは大外の江田ミナレットが飛ばしていく。二番手には吉田豊ケイアイエレガントが進み敢えてハナを主張しない。
三番手内にルメールのレッドリヴェール、この高速馬場では差しきれないとみたのだろう。その外にはリトルゲルダが掛かり気味に進む。
その後ろの好位にストレイトガールが付けている。外からはヌーヴォレコルトが行く。
中団一列目はベルルミエール、ハナズゴール、二列目にカフェブリリアント、ショウナンパンドラ、三列目にスイートサルサ。
少し離れて後方待機はスタートで後手を踏んだディアデラマドレ、バウンスシャッセ、メイショウマンボ、そして殿からスマートレイアーが続いた。
ミナレットは5馬身の大逃げになり、単騎二番手にケイアイ、三番手リトルゲルダと縦に長い隊列が出来る。
前半1000は56秒8と超ハイペースだ。
直線を向いても前の差はじわじわとしか詰まらない。
ようやく残り100でケイアイがミナレットを捕まえて勝ったかと思われたが、中から鬼脚を見せたストレイトガールがゴール前ケイアイをアタマ差で差し切り、待望のG1初制覇。時計は1分31秒9でアパパネと同タイムのレースレコードタイ。上がりも33秒0(全体の三位)である。レースの上がりは35秒0だった。
一昨年夏からスプリント戦を中心に本格化して、いずれスプリントG1を勝つだろうと思ったが、昨年の高松宮記念、スプリンターズS、今年の高松宮記念となかなか勝てず、結局マイラーとして花開いたわけだ。
2着ケイアイエレガント、3着ミナレット、4着レッドリヴェール、5着カフェブリリアントとハイペースながら前残り競馬だった。
有力馬は6着に好位に付けながら道中で足を使いG前伸びなかったヌーヴォ、7着に外から追い込んだディアデラマドレ(上がり1位の32秒8)。
8着にショウナンパンドラ、そのあとハナズゴール、スマートレイアー(上がり二位の32秒9)と続いた。
6才牝馬のワンツーとなり4才最先着は4着レッドリヴェールだった。今日の結果を見る限り好位付けできなければ、ハープスターであっても上位に入ったと思われない。
今日のようなハイペースでは逃げない限り内枠の先行差し馬が有利である。
なお殿人気のミナレットが3着に入ったため、三連単は2070万円馬券になりG1史上最高記録になった。ミナレットは3年前嘉藤騎手騎乗の14番人気で新馬戦に勝ったとき、三連単の史上最高記録2980万円(二着は同着)を叩き出している。