1995年テレビ放映以来、社会現象となった人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に新たな解釈を加え、再映画化した新劇場版第三作。
前作よりも改変された部分が多くなるほか、より腐女子向けにパワーアップされた渚カヲル(石田彰)が登場する。
原作・脚本・総監督は庵野秀明。声の主演は緒方恵美。
あらすじ
第10使徒との戦いから14年後、ヱヴァ初号機は碇シンジ、綾波レイの二人を取り込んだまま、NERVによって衛星軌道上に封印されていた。
葛城ミサト、赤木リツコらが碇ゲンドウに対抗するために創設した組織「ヴィレ」は初号機を回収する作戦を立て、アスカのEVA改2号機とマリの8号機が宇宙へ出撃する。NERVはMark.04の「コード4A」「コード4B」で襲いかかるが、これを撃破してアスカは初号機を確保して地球に戻る。
14年前の姿のまま目覚めたシンジは、ヴィレの戦艦「AAA ヴンダー」でミサトたちと再会する。発見されたのはシンジだけで、レイは見当たらなかった。ミサトにもうヱヴァに乗るなと冷たく告げられ、シンジには「DSSチョーカー」が取り付けられてしまう。それはシンジに勝手な行動をさせないための自爆装置だった。やがてヴンダーがNERVの「Mark.09」に襲われる。シンジはレイの声に誘われ、ヴンダーからMark.09に逃げ出す。
シンジは父ゲンドウからヱヴァ13号機の共同パイロットになる渚カヲルを紹介される。シンジはカヲルに案内されて、地上の赤く染まった大地を見る。それはシンジと初号機が起こした「サードインパクト」のせいだった。世界崩壊のトリガーが自分だと知ったシンジは呆然とする。
さらに冬月は、母ユイがヱヴァのコアに取り込まれ初号機の制御システムになったこと、綾波レイはユイの遺伝子を基に複製されたクローンであり、再びユイを取り戻すことがゲンドウの目的だとシンジに教える。
ヱヴァ13号機が完成し、カヲルはシンジのチョーカーを取り除き、代わってカヲルの首に巻く。世界を元に戻すのに必要と言われるロンギヌスとカシウスの2本の槍を入手するため二人はヱヴァ13号機に乗り、「アヤナミレイ(仮称)」を乗せたMark.09と共にセントラルドグマ最深部へ向かう。
カヲルは第2使徒リリスを貫く2本ともロンギヌスの槍であることに気付き訝しむ。そこへヴィレに送り込まれた改2号機と8号機がやって来る。しかし世界を元に戻そうとするシンジは槍を抜いてしまう。突然、第12使徒が動き出す。アヤナミレイ(仮称)が倒すが、今度は13号機が第12使徒を取り込んでしまう。全てはゲンドウの仕掛けた罠であり「フォースインパクト」が発動せんとしていた。
それを止めようとヴィレのヴンダーで攻撃するが、Mark.09に抑えられる。アスカは獣化してMark.09を足止めし、アスカとアヤナミレイ(仮称)が脱出したタイミングで改2号機はMark.09を道連れにして自爆する。またカヲルはフォースインパクトを止めるためにDSSチョーカーを作動させ爆死する。
それでも止まらないフォースインパクトに、マリはシンジのエントリープラグを強制的に排出して、13号機の活動を強制的に止める。地上でアスカはシンジを救出する。
雑感
またよくわからない筋書きだ。オリジナルでも情報をかき集めて理解したのに、この「新劇場版:Q」ではさらに複雑化している。
さらに次回作「シン・ヱヴァンゲリオン劇場版」に至っては、「不思議の国のナディア」の世界線に収束するという噂もあり、何がしたいのか分からない。
最終作が終わらないと、この作品の評価は難しい。
声優についてはベテラン宮村優子の声がさらに老けた。
「ヴィレ」の新メンバーとして加わった声優は、錚々たる顔ぶれだけに、ミヤムーは気を遣っているのかも知れない。
スタッフ
原作・脚本・総監督 庵野秀明
総作画監督 本田雄
作画監督 林明美 、 井上俊之
総演出 鈴木清崇
CGI監督 鬼塚大輔 、 小林浩康
音楽 鷺巣詩郎
キャラクターデザイン 貞本義行
メカニックデザイン 山下いくと
監督 摩砂雪 、 前田真宏 、 鶴巻和哉
主題歌 宇多田ヒカル
キャスト
碇シンジ. 緒方恵美
アヤナミ・レイ(仮称) 林原めぐみ
式波・アスカ・ラングレー 宮村優子
渚カヲル 石田彰
葛城ミサト 三石琴乃
碇ゲンドウ 立木文彦
赤木リツコ 山口由里子
冬月コウゾウ 清川元夢
真希波・マリ・イラストリアス 坂本真綾
伊吹マヤ 長沢美樹
青葉シゲル 子安武人
日向マコト 優希比呂
鈴原サクラ 沢城みゆき
高雄コウジ 大塚明夫
長良スミレ 大原さやか
多摩ヒデキ 勝杏里
北上ミドリ 伊瀬茉莉也