エロール・フリンがオリヴィア・デ・ハヴィランドと共演する映画で、ロビンフッド伝説に基づき、ノーマン・ライリー・レインとシートン・I・ミラーが脚本を書き、マイケル・カーティズとウィリアム・ケイリーが共同監督した作品。トニー・ゴーディオとソル・ポリートが撮影を担当した。原色系の初期テクニカラー映画。
共演はベイジル・ラスボーン、クロード・レインズ、イアン・ハンター、ユージン・パレットら。
あらすじ
12世紀後半、リチャード王が十字軍に従軍した後の英国は、王弟ジョンが支配をしていた。
ジョンはサクソン人に対して、重税を課した。リチャード王はイスラム教徒に捕えられ巨額の身代金を要求されていた。ジョンは身代金を名目にして増税を課したが、それを着服し兄王を見殺しにするつもりだった。
サクソン人貴族ロビン・フッドはリトル・ジョン、タック修道士、ウィル・スカーレット仲間を増やしてノルマン人の蛮行に逆らっていた。そしてジョン王弟の宴会に殴り込み、暴れ回って腹心ガイに恥をかかせる。マリアン姫との運命的出会いもその時だった。
シャーウッドの森に潜んでいると、ガイやマリアン姫が通り抜けようとしたので、誘拐して彼らが持っていた財宝を盗む。しかしロビンの目的がサクソン貧民保護とリチャード王の身代金支払いだと知ってマリアンはロビンを見直す。
ガイやマリアンが解放された後、ノルマン軍はロビンを捕まえようとするが、ロビン一味は返り討ちにしていた。ジョンとガイは一計を案じて、ノッティンガム城内で弓術試合を開く。変装したロビン・フッドが優勝してマリアン姫から商品を授けられようとした時、ガイに正体を見破られ投獄された。マリアン姫と仲間たちに救われ、処刑寸前に逃亡することが出来た。ジョンが即位する知った姫は、ロビンに知らそうとしてガイに見つけられ投獄されてしまう。
ジョンの謀反を知り、姫を助けに行こうとしているロビン・フッドの前に帰国したリチャード王が現れる。王とロビンは大僧正と示し合わせて、僧侶として一行に加わり、場内に入った途端に正体をあらわす。載冠式を挙げようとしていたジョンは国外追放となり、ガイはロビンによって成敗される。リチャード王は褒美としてロビン・フッドとマリアン姫の結婚を許す。
雑感
リチャード1世に臣従していたロビン・フッドがジョン王弟に対して抵抗する物語。スイスでハプスブルグ家に抵抗したウィリアム・テルではないので息子の頭の上のリンゴを射ったりしない。
初期のテクニカラーはパステルカラーそのもので、目が痛くなるw。
エロール・フリンはオリビア・デ・ハビランドと八作品でコンビを組んだ。このオーストラリア人俳優は気位の高いオリビアに夢中になるが、イギリス人のオリビアはフリンが結婚中であることから受け入れなかった。
オリビア・デ・ハビランドは顔から受けるイメージが柔らかいが、実際とギャップがあるタイプだった。妹ジョーン・フォンティーンとずっと仲が悪かったし、プリンストン大学建築学科卒業のエリートであるジェームズ・スチュアートと付き合っていたが、スチュアートはいい歳になっても結婚して落ち着く気がない上に、戦時中に空軍を志願して本気で軍人になってしまい、二人の心は離れていく。
ナイジェル・ラズボーンとエロール・フリンのラストの剣劇シーンはなかなか凄かった。ラズボーンのも洗馬に十分鳴っていた。
イギリス人ナイジェル・ラズボーンは脇役俳優だったが、二度アカデミー助演男優賞にノミネートされて、いよいよシャーロック・ホームズの仕事が回ってくる。アメリカ映画やラジオであったが、シャーロック・ホームズ=ベイジル・ラズボーンとして視聴者に受け入れられた。シャーロック・ホームズのサインを求められ、本人はうんざりしていた。
スタッフ
監督 マイケル・カーティズ 、 ウィリアム・ケイリー
脚本 ノーマン・ライリー・レイン 、 シートン・I・ミラー
音楽 エリック・ウォルフガング・コーンゴールド
撮影 トニー・ゴーディオ 、 ソル・ポリート
カラー撮影 W・ハワード・グリーン
キャスト
ロビン・フッド エロール・フリン
マリアン姫 オリヴィア・デ・ハヴィランド
ガイ・ギズボーン卿 ベイジル・ラスボーン
ジョン王弟 クロード・レインズ
リチャード1世(獅子心王) イアン・ハンター
タック修道士 ユージン・ポーレット
リトル・ジョン アラン・ヘイル
マッチ ハーバート・マンディン
ウィル・スカーレット パトリック・ノウルズ
ノッチンガム代官 メルヴィル・クーパー
ベス ユーナ・オコナー
エセックス卿 レオナード・ウィリー
モーティマー卿 ケネス・ハンター
ブラックキャノン僧正 モンタギュー・ラヴ
ボールドウィン卿 コリン・ケニー
ラルフ卿 ロバート・ノーブル
アイヴァー卿 レスター・マシューズ
ディコン・マルビート ハリー・コーディング