(◎)サリー・ベンソンの脚本を「バイ・バイ・バーディー」のジョージ・シドニー監督が演出したミュージカル映画。
主演はエルヴィス・プレスリーと女プレスリーと呼ばれ、激しいゴーゴーダンスとダイナミックな歌唱を披露する、スウェーデン出身のアン・マーグレット。
共演はチェザーレ・ダノヴァ、ウィリアム・デマレスト、ニッキー・ブレア。カラー映画。
あらすじ
ラッキーは、歌が得意なカーレーサーである。レース用の車体は手に入ったが、エンジンを買う金を稼ぐため、ラスベガスで金策をしていた。そこで彼は、ライバルでもあるイタリアのスピード王マンチーニ伯と知り合う。マンチーニは貴族で大金持ちだ。
ラッキーは、ホテルで水泳コーチをしているラスティとも出会う。マンチーニも一目でラスティが気に入り、恋のライバルになる。ラッキーは、脚元を見ずに彼女を口説くが、プールに落ちてしまい、財布の中身を無くす。
彼は、泊っていたホテルの料金すら払えないので,働いて返すことにした。そして賞品が凄いと聞いて、ホテルの従業員コンテストに出場する。ラッキーとラスティが決勝で歌うが、ラッキーが優勝する。だが、賞品は金目の物ではなく、ラッキーはがっかりする・・・。
雑感
この映画は、「寅さん映画」に見えてしまう「プレスリー映画」の中でもかなり上位に来る作品だ。でも、エルヴィス・プレスリーの歌「ラスベガス万才」が良いからというだけではない。
プレスリーに真っ向からぶつかった若いアン・マーグレットのパワフルな歌とダンスに魅せられたからだ。この映画で彼女は、エルヴィス・プレスリーの胸を借りて、見事にハッチャケていた。この作品は、アン・マーグレットにとってもベスト映画と言えるのではないか。彼女の歌唱法も、60年代前半のものの方がさっぱりしていて好きだ。
彼女が出演したミュージカル映画「バイバイ・バーディー」は名作だが、ディック・ヴァン・ダイクが本当の主演であり、彼女は実力を出し切っていない。
スタッフ
製作 ジャック・カミングス
製作、監督 ジョージ・シドニー
脚本 サリー・ベンソン
撮影 ジョゼフ・バイロック
音楽 ジョージー・ストール
振り付け デイヴィッド・ウィンターズ
主題歌 エルヴィス・プレスリー「ラスベガス万才」
キャスト
ラッキー・ジャクソン エルヴィス・プレスリー
ラスティ・マーティン アン・マーグレット
マンチーニ伯 チェザーレ・ダノヴァ
マーチン氏(ラスティの父) ウィリアム・デマレスト
ソルティ ニッキー・ブレア
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その頃には、ラスティもラッキーを愛するようになっていた。ラスティの父親がエンジン代を貸してくれたので、ギリギリでラッキーは、ラスベガス・カーレースに出場することが出来た。そしてラッキーは見事にレースで優勝し、ラスティと愛を誓い合う。