偉大な舞台俳優であり軍歌である「オーヴァー・ゼア」のシンガー・ソング・ライターであったであったジョージ・マイケル・コーハンの半世紀を回想の形で描く。戦意高揚映画の一つであった。アメリカで公開されたのが、太平洋戦争中の1942年6月でジョージ・M・コーハンが亡くなったのは同年11月5日である。アカデミー賞では主演男優賞(ジェームズ・キャグニー)、音楽賞、ミュージカル作曲賞、録音賞を受賞した。
監督はマイケル・カーティズ、主演ジェームズ・キャグニー、共演ウォルター・ヒューストン、ジョーン・レスリー。作詞作曲はジョージ・M・コーハンである。
あらすじ
1937年、ジョージ・M・コーハン(ジェームズ・キャグニー)は10年ぶりに舞台に復帰した。コーハンは現役のフランクリン・ルーズベルト大統領を演じて、好評だったのでホワイトハウスから招待状が届いた。コーハンは大統領と対面し、自分が歩んだ道を振り返る。
彼の父ジェリー・コーハン(ウォルター・ヒューストン)、母ネリー(ローズマリー・デ・キャンプ)はともにボードヴィル芸人だった。やがて妹ジョージーも生まれ、「コーハン4人組」として巡業を続けた。才能あふれるジョージはそれ故に敵を作りやすく必ずしも順風満帆といかぬ青春時代だった。ジェームズ(ジェームズ・キャグニー)も大人になり、メアリー(ジョーン・レスリー)と出会う。コーハンはプロデューサーに逆らい彼女を舞台に起用したために干されてしまう。
作詞・作曲に力を入れて、サム・H・ハリス(リチャード・ワーフ)とめぐり会う。ついに英国ダービーに挑戦する米国騎手を描くミュージカル「リトゥル・ジョニー・ジョーンズ」を上演する。そして2年後、大歌手メイ・テンプルトンを主演にして初のオーソドックス・ミュージカル「ブロードウェイから45分」も成功を納めた。戦後の好況期を迎え、1920年代はコーハンの時代になって、多くの劇場がジョージの作品を上演した。人気と逆に家族の死にも見舞われた。サム・H・ハリスとのコンビも解消し引退する。10年もたつと彼の名前すら知らない若い連中が出てくる、その頃、サム・H・ハリスからフランクリン・ルーズベルトを描く新作でカムバックを求められる。
そこで回想は終わる。ルーズベルト大統領は、勲章をジョージに渡し、永年の功績を称えた。ホワイトハウスを出ると、兵士が行進して自分の曲「オーバーゼア」を歌っている。
雑感
淡々とジョージ・M・コーハンの俳優としての一生を描いている。
太平洋戦争開戦直後の戦意高揚映画であることと、コーハンが亡くなった直後だったことで、「心の旅路」のロナルド・コールマンを破って、主演男優賞のオスカーを取れたのだろう。
妻は二人いて、先妻はエセル・レヴィーという女優だった。一人娘が出来て、妹のジョージーが結婚したとき、代わりにフォー・コーハンズに参加するが、29歳の時にコーハンの浮気が原因で離婚する。翌年にメアリーと結婚する。彼女とは3人の子を成し、ジョージが亡くなるまで添い遂げる。つまりその辺りは事実を曲げている。
スタッフ・キャスト
監督 | マイケル・カーティズ |
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製作総指揮 | ジャック・L・ワーナー 、 ハル・B・ウォリス |
脚本 | ロバート・バックナー 、 エドモンド・ジョセフ |
音楽 | ジョージ・M・コーハン |
音楽監督 | レオ・F・フォーブステイン |
作詞 | ジョージ・M・コーハン |
配役
ジョージ・M・コーハン ジェームズ・キャグニー
妻メアリー ジョーン・レスリー
父ジェリー ウォルター・ヒューストン
母ネリー ローズマリー・デ・キャンプ
妹ジョージー ジーン・キャグニー
脚本家サム・H・ハリス リチャード・ウォーフ
女優フェイ・テンプルトン アイリーン・マニング
エディ・フォイ エディ・フォイ・ジュニア