京マチ子が先に亡くなったので彼女の回顧を優先してしまったが、翌日にはドリス・デイが亡くなってしまった。ドリスの方が2つ年上なのだが個人的には親子二代で歌を愛聴していたから悲しい。
今回は映画としてはドリス・デイ40歳、ケーリー・グラント58歳になった頃に上映された唯一の共演作。ところが大富豪のプレイボーイと田舎者の生娘の役で、必死に紗を掛けてアップ撮影を行っており、笑える。監督はデルバート・マンでイーストマン・カラー作品。「奥さまは魔女」の二代目ダーリン、ディック・サージェントが新婚初夜に悩む花婿役でちょっと出てくる。

あらすじ

コニー(オードリー・メドウズ)のルームメイトであるキャシー(ドリス・デイ)は職場でセクハラを受けるので、退職してしまいいつも職安通い。今日も雨の中、職安で失業手当をもらって出ていくと、車に泥水をはねられる。
泥をはねた大富豪のシェーン(ケーリー・グラント)は、友人であり投資顧問であるロジャー(ギグ・ヤング)に諭され、キャシーと面会する。
会うまでキャシーはシェーンに文句を言わなければ気が済まないと怒っていたが、会った途端、ビビビと来て二人は意気投合。シェーンの商用に付き合わされて、ボルチモアからフィラデルフィアを回った。すっかり気に入られたキャシーはバミューダのリゾートホテルに誘われる。しかし結婚するつもりのないシェーンとの初夜を前にキャシーは体中じんましんが出てしまう。泣いて一旦自宅に戻ったキャシーは思い直して再びバミューダに乗り込むが、忙しい中をシェーンがやって来たときには泥酔してしまった。
シェーンも流石にこれには怒る。しかしコニーとロジャーの企みでたきつけて、キャシーが職安職員とデートに出かける跡を付けさせ、ついにシェーンは彼女にプロポーズする。ところが結婚初夜、今度はシェーンがじんましんを出してしまう。

雑感

60年代ともなれば、ビートルズ時代であり、アメリカン・ニューシネマの動きが出てきた頃である。
ドリス・デイは若作りしているし、ケーリー・グラントも、映画の出来に不満があるのか、やる気は全く感じさせない。
でも痩せても枯れてもラブコメは二人の得意技。映画は、待望の二人の顔合わせと言うことで、大ヒットしてしまったw。
個人的にはヤンキースの大選手ロジャー・マリス、ミッキー・マントル、ヨギ・ベラが登場したのが美味しかった。
キャシーが野球場に行きたいと言いだしたので、大富豪のシェーンは二人の席を何とヤンキースのベンチの中に設ける。
ストライクのジャッジにキャシーが文句を付け三選手が同調すると、アンパイヤが三選手を退場させるシーンが見ものだ。

スタッフ・キャスト

監督 デルバート・マン
製作 スタンリー・シャピロ 、 マーティン・メルチャー
製作総指揮 ロバート・アーサー
脚本 スタンリー・シャピロ 、 ネイト・モナスター
撮影 ラッセル・メッティ
音楽 ジョージ・ダニング
配役
フィリップ・シェイン ケーリー・グラント
キャシー・ティンバーレイク ドリス・デイ
投資顧問ロジャー ギグ・ヤング
友人コニー オードリー・メドウズ
花婿ハリー ディック・サージェント
精神科医グルーバー アラン・ヘウィト
職安職員ビーズリー ジョン・アスティン
ミンクの手ざわり That Touch Of Mink 1962 ユニバーサル配給 ドリス・デイ追悼

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