ロバート・M・エドゼルによる本『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作とし、第二次世界大戦中にナチスによって奪われた美術工芸品を奪回するためにヨーロッパ戦線で実際に活躍した男たち(モニュメンツ・マン)を描いた映画。ただし実話をかなり脚色している。
主演、脚本、監督はジョージ・クルーニー。共演はマット・デイモン、ビル・マーレイら。
あらすじ
1943年ナチスの支配下地域で貴重な美術品が強奪されていた。歴史的美術工芸品が破壊されることを危惧したハーバード大学のストークスは、フランクリン・ルーズベルト大統領に直訴して芸術関係者をヨーロッパ戦線に送り美術品奪還作戦を実行する。
1944年3月、ストークスは美術工芸品奪還部隊「モニュメンツ・メン」を結成、英国基地に向かいに全員を集めて、ノルマンディーに行き、そこから美術品を収蔵いているドイツ東部に向かう予定を伝える。グレンジャーだけはパリ国立美術館館長から手がかりを得るため先に仏ドーヴィルへ向かう。
ノルマンディーに到着した残りの6人は、ドイツ生まれのユダヤ人兵士エプスタインと出会う。ドイツ兵の輸送部隊が捕まえられ、フェルメールなどの絵画を回収された。ドイツ語ネイティブな彼のおかげで輸送部隊の目的地がジーゲンであることが分かる。
その頃ベルギー・ブルージュ聖母教会にある聖母子像をナチスから奪回しようとしてジェフリーズは敵の凶弾に倒れる。
8月ナチスはパリを捨てて敗走する。ナチスのシュタールに貴重な美術品を持ち逃げされた美術館員シモーヌにグレンジャーは会って、協力を依頼する。
モニュメンツ・マンはレマゲンで再会し、再び分かれて東ドイツに向かう。メルカースに向かったガーフィールドとクレルモンは敵襲に会い、クレルモンが射殺される。キャンベルは歯が痛くなり歯科へ行くと甥が分かるかもしれないと言われ、サヴィッツを連れて会いに行くとそこでシュタールを逮捕でき、貴重な情報を入手する。
ジーゲンにストークスらが行くと、多くの美術品が見つかるが、肝心の聖母子像が見当たらない。メルカースに隠されていると考えて、鉱山跡に入ると美術品はなかったが、金塊がごっそり出てきた。
これで財政的に息の根が止まったヒトラーは自殺してドイツは終戦を受け入れるが、今度はソ連が賠償金がわりに美術品を狙っている。ソ連軍があと数時間で略奪にやって来るアルトアウスゼーの鉱山跡は一見爆破されたようだが、入り口を破壊しただけで奥は無傷だった。中にはあのブルージュの聖母子像があった。ストークスは、ソ連が来る前に慌てて持ち出す。
雑感
最後のソ連軍と競争になるシーケンスが脚色しすぎだと思う。でも何かオチをつけたかったのだろう。
そんなに目くじら立てるほどではない。観客が一人でも多く見てくれて、昔美術品のために死んでいった兵士がいたことを覚えてくれる方が何倍も良い。
スタッフ・キャスト
監督 ジョージ・クルーニー
脚本 ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
原作 ロバート・M・エドゼル、 ブレット・ウィッター『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』
製作 ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
配役
ストークス ジョージ・クルーニー
グレンジャー マット・デイモン
キャンベル ビル・マーレイ
ガーフィールド ジョン・グッドマン
ジェフリーズ ヒュー・ボネヴィル (TVシリーズ「ダウントン・アビー」)
サヴィッツ ボブ・バラバン
クレルモン ジャン・デュジャルダン
サム・エプスタイン ディミトリ-レオニダス
クレール ケイト・ブランシェット