ショットガンとマグナムで武装し、インターセプターを駆る警官マックスを中心に暴走族との戦いを描くカーアクション映画。
製作はバイロン・ケネディ、監督・脚本はジョージ・ミラー、撮影はデイヴィッド・エグビー、音楽はブライアン・メイ。アメリカの配給元は低予算映画のAIP(アメリカン・インターナショナル・ピクチャー)だった。
主演はメル・ギブソン、共演はジョアン・サミュエル、ヒュー・キース・バーン、スティーヴ・ビズレー。カラー・スコープ映像。
あらすじ
警察官マックスは、追跡専門のパトカーであるインターセプターに乗り、同僚グースから連絡を受け、暴走を続けるナイトライダーを追跡していた。やがて、追い詰められたナイトライダーは運転を誤り転倒して死んだ。
妻ジェシーは、マックスの仕事が不安だ。ナイトライダーの死で、集まってきた彼の仲間の暴走族たちは強盗、強姦を繰り返した。トーカッターら暴走族の行為はエスカレートし、覚醒剤中毒のジョニーを痛めつけた同僚グースを暗殺する。怒りで自分が抑えられなくなりそうなマックスは、上司フィフィに辞表を出す。これに対してフィフィは2、3週間休暇をやるから冷静になれと慰める。マックスは伯母の家に家族と車で旅行に出かけた。
しかし、道中でトーカッタ一味に因縁をつけられ、伯母の牧場まで追いかけられてる。海岸で捕まったジェシーは大声でマックスに助けを求める。しかしマックスと入れ違いで牧場に戻り、そこで伯母が機転を利かして彼らを納屋に閉じこめ、ジェシーと子供は車で逃げる。しかしエンジンの故障で母子は彼らに捕まり、無惨にもバイクで息子はひき殺されて、妻も大怪我を負う。これにはマックスは怒りを爆発させ、インターセプターに乗り込み暴走族を追いかける・・・。
雑感
バイク・カー・アクション映画のエポック・メイキングと言える低予算オーストラリア映画。日本でも大流行した。「エイリアン」と同じ1979年に公開されたのは、ここが時代の変わり目だったと言うことだ。
暴走族映画といえば、マーロン・ブランドやジェームス・ディーン、梅宮辰夫から始まるが、この「マッド・マックス」は新時代の暴走族映画で、日本でも「狂い咲きサンダーロード」に継承されるように、ディストピアを舞台にしている。
マックスの愛車インターセプターが主役である。インターセプターは豪州フォードのファルコンXBの改造したもの。
1982年のアメリカTVドラマ「ナイトライダー」はGMポンチャック・ファイヤーバード・トランザムの改造車だが、「マッド・マックス」での「インターセプター」の活躍からインスパイヤされたものだ。しかし「マッド・マックス」では「ナイトライダー」は暴走族の愛車であり、完全な悪役である。
メル・ギブソンはアメリカ生まれのオーストラリア育ち。この映画で初主演して俳優として大成功する。
彼は1982年にハリウッドで出演作が公開された。
音楽のブライアン・メイはオーストラリアの映画音楽家であり、クイーンのギタリストとは別人である。
スタッフ
監督、脚本ジョージ・ミラー
製作バイロン・ケネディ
撮影デヴィッド・エグビー
音楽ブライアン・メイ
キャスト
マックス メル・ギブソン
妻ジェシー ジョアン・サミュエル
暴走族の首領トーカッター ヒュー・キース・バーン
警官ジム・グース スティーヴ・ビズレー
暴走族ジョニー ティム・バーンズ
上司フィフィ ロジャー・ワード
ネタばれ
マックスは、トーカッタ一味を発見する。
トーカッターは、車から降りたマックスを銃撃し、マックスの腕をバイクで轢く。トドメを刺そうとした暴走族バーバは返り討ちに遭い死んでしまう。
そこでジョニーとトーカッターは別々の方角に別れる。
マックスはトーカッターを追跡しすぐ背後につけたので、トーカッターが後ろを気にするうちに、トラックと正面衝突する。大型トラックはトーカッターの身体を巻き込む。
さらにマックスはラリったジョニーを発見し、ジョニーの足首に手錠をかけ、車にくくりつける。
車のガソリンを垂らしてライターを置き、ジョニーにのこぎりを渡す。
「超高度スチールの手錠を切るのに10分、足首なら5分で切れる」と言い、マックスはその場を去る。
ジョニーは自分で足首を切れず、車諸共に爆発する。