フランス映画のリスニングのためにフランス語を再開したと言ったが、その前に聖典ともいうべき重要な本を紹介しておきたい。
ともに外国語学習者のために書かれた新書である。
外国語を学習する以前に読むと効果的だ。
一冊は今から二十年前ほどに出た「外国語学習法」(東京外大名誉教授)千野栄一著、岩波新書。
英語やフランス語に限らず、外国語学習の前に読むべき本だ。
実は、当たり前のことしかおっしゃっていない。
しかし、「おっしゃる通り」なのだ。
こういう当たり前のことを気づかない人が、NOVAなどの不良英会話学校に騙されるのだ。
駅前で留学なんか出来るわけがないのである。
次は最近出た本、「おじさん、語学する」早稲田大学教授の塩田勉著、集英社新書。
この本はフランス語を話さなければならなくなった初老の紳士の奮闘記である。
計画的に合理的に戦略を選択して目標に到達している。
実話に基づいているとはいえ、これはフィクションである。
かようにうまくいく人は少ないと思う。
また最終目標がネイティブとのスピーキングであり、上の「外国語学習法」と比べて、かなり高度に限定されている。
それでもこの本を推薦するのは、小学生の頃、遠山拓先生の「関数を考える」を読んで得た感動、また後に小林秀雄「本居宣長」を読んで得た感銘が甦ったからだ。
語学の方法論だって根本は、他の科学と共通していることを今さらながら思い知らされた。
番外編・発音なんて気にしない、古典語を学習するためならば、文庫だがシュリーマンの「古代への情熱」がひとまず良いでしょう。
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