連続自殺事件かそれとも無差別連続殺人か?
Rachelというダイイング・メッセージ
そして運転手のなぞ
ジェレミー・ブレットの死後、ビクトリア朝シャーロック・ホームズは何度か英国でTV化されたがどれも決め手に欠けた。
そこで今回はシャーロックを現代のロンドンに生まれたものとして蘇らせた。
インターネットや携帯電話の普及していてトリックは100年前と比べてずいぶんと複雑化した。
さらに事件の裏にはずいぶんと若くなって貫禄がなくなったモリアーティが常に糸を引いていて、シャーロック排除を狙っている。
そんな中でシャーロックは推理を働かせて事件を解決できるか?
その番組が思わぬ大ヒットをしてしまった。脇役俳優ベネディクト・カンバーバッチもすっかりブレークした。
記念すべき第一回作品は「緋色の研究」をもじったタイトルだが、ドイツ語か紛らわしいダイイング・メッセージ以外はあまり似ていない。
それに実際の「緋色の研究」は実質的に短編であり、中編にするため復讐譚を最後に入れて無理矢里引き延ばしたのだ。
このドラマは単純な出だしから1時間半番組につなぐため、延々となぞを複雑化している。
俳優を楽しむには良いが、トリックを楽しむには長すぎる。
身分の高いシャーロックに対して、婦人警官が疑い突っかかるのも現代的と言えばいいけれど、今後逮捕にまで発展するのは古き良きビクトリア朝の秩序では考えられなかったことだ。
というわけで、ジェレミー・ブレット版と比べて,見ていて疲れる。
ワトソン役のマーティン・フリーマンは原作や今までのドラマ、映画のワトソンと違って、医者らしく頭も良い。改良点ではそこだけが気に入った。
ピンク色の研究 2010 BBC