「ピンクの豹」「暗闇でドッキリ」に続くピンクパンサー・シリーズ第三弾「ピンクパンサー2」は、前作から11年後の1975年に製作された。もともと監督のブレイク・エドワーズと主演のピーター・セラーズが不仲だったためで、1975年当時はお互いに仕事がなかったので仕方なく撮った。共演はクリストファー・プラマー、カトリーヌ・シェル。
あらすじ
革命が起きたルガシュ国(リビアらしい)で数年ぶりにピンクパンサーが盗まれた。ルガシュのワダフィ将軍はクルーゾー警部に捜査を依頼した。クルーゾーは例によってドレフュス警視にクビにされかけていたが、急遽ルガシュに飛んだ。現場検証の結果、ファントムの犯行と推理したクルーゾーはニースのリットン卿の邸に向かう。しかしリットン卿は盗んでいなかった。自分で謎を解決すべく、ルガシュに向かっていた。そうとも知らずリットン邸を電話工事人に化けて探索する。リットンの妻クローディーヌは一眼でクルーゾーの正体を見抜き、スイスへ向かう。クルーゾーも跡をつけてスイスへ。ルガシュのリットン卿に秘密警察のシャーキ大佐が近付く。クルーゾーはまた下手な扮装をしてクローディーヌに近付くが、もちろん正体はバレている。ところがドレフュスがクルーゾーにクローディーヌ逮捕の命令を下す。不審に思いながら、クローディーヌの部屋へ行くと、何故かリットンとシャーキもいた。リットンはルガシュの捜査で盗んだのはクローディーヌだと分かった。シャーキはリットンの跡をつけていてピンクパンサーを横取りしてリットン夫妻を暗殺しようとしていたのだ。クルーゾー絶体絶命のピンチだったが、シャーキは射殺される。クルーゾー暗殺を狙っていたドレフュスが狙撃したが、狙いが外れてシャーキに当たったのだ。怒り狂ったドレフュスは部屋に乱入するも取り押さえられ、精神鑑定の結果無罪になる。クルーゾーはドレフュスの後釜として警視に昇格し日本レストランで食事をしていると、着物ウェイトレスに扮したカトーが襲いかかる。
雑感
「ピンクの豹」と「暗闇でドッキリ」の悪いところばかり集めたギャグ作品だった。つまり何も発展のない作品だ。リットン卿もデビッド・ニーブンが適役だと思うし、リットン夫人も魅力的ではなかった。
ピーター・セラーズの芸も時間が経つと飽きる物だ。
でもクルーゾー夫人(キャプシーヌ)はどこに行ったのか。ピーター・セラーズの死後上映された「ピンクパンサーX」ではクルーゾー夫人は離婚してリットン夫人になったことが明らかにされた。でも「2」では、リットン夫人とクルーゾーは初対面のようだった。
結局、制作側は設定について何も考えていなかったのだろう。
スタッフ・キャスト
監督・製作 ブレイク・エドワーズ
脚本 フランク・ウォルドマン 、 トニー・アダムス
撮影 ジェフリー・アンスワース
音楽 ヘンリー・マンシーニ
配役
クルーゾー警部 ピーター・セラーズ
リットン卿 クリストファー・プラマー
クロディーヌ カトリーヌ・シェル
ドレフュス警視 ハーバート・ロム
カトー バート・クウォーク