1995年「ビフォア・サンライズ」、2004年「ビフォア・サンセット」に続くジェシーとセリーヌの物語第三弾にして完結編である。
前作でセリーヌと再会したジェシーは、既に結婚生活が破綻していた妻と別れ、ジェシーと暮らす。最初のうちはシカゴで暮らしていたが、双子の娘の出産を機会にパリへ移る。ジェシーには前妻との間にハンクという男の子がいた。今では夏休みの旅に父親に会いに来る。
この夏もジェシー、セリーヌと双子、そしてハンクはギリシャ旅行をしていたが、ハンクがアメリカの母の元に戻り、ジェシーはナーバスになる。
そんなジェシーを見ていて、友人たちはジェシーとセリーヌに一泊旅行をプレゼントする。双子は預かってもらったので久々の夫婦水入らずである。
仲良くホテルに行っては見たものの、ラブホテルに毛が生えたようなものだった。二人はいつの間にか口論を始め、セリーヌは出て行ってしまう。
ジュリー・デルピーは経産婦としての役作りもあるだろうが、かなり太っていた。
若かりし頃の彼女にあこがれていた人には勧めにくい映画だ。
私も前二作の面影を抱いていたので、かなりショックだった。
しかしこれがリアルな夫婦なんだよな。
ただホテルへの道中での二人の会話劇を長回しで撮影していたのは、いつもながら圧巻だ。
アドリブがかなり入っているのだろう。
欧米人は日本人と違って夫婦の会話もセックスも成立している。それなのに離婚率が高い理由が垣間見えたような気がする。ただ会話があればいいと言うものではない。
三部作でもう十分だ。
次回作は30年後ぐらいの二人のその後の人生を描いてもらったら面白いと思う。
監督 リチャード・リンクレイター
脚本 リチャード・リンクレイター、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー
配役
イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー