2時間49分。
バルジ大作戦自体は1944年12月16日に始まって、年明けまで続いた。
映画はドイツ軍が連合軍の補給基地を襲い初年兵たちが阻止するという、一作戦をテーマにしている。
その割に上映時間が長すぎる。冗長に感じた。
間延びしたカットは、英国映画の「空軍大戦略」(4年後の作品)のように、叙事詩的に描きたかったのだろう。
しかし空軍ものと戦車戦では全く違う。
美しいカラー映像の戦車戦は、まるで巨大なカブトムシ同士の戦いを観ているようだった。
実物を使ってるのに、何故か嘘っぽい。
撮影期間が長すぎて、雪が積もったり溶けたりするのも変だ。
モノクロ画面にすれば少しはドキュメンタリー的な映像になり、成功した筈だ。

監督 ケン・アナキン
出演
ヘンリー・フォンダ カイリー中佐(刑事出身。クリスマス前で浮かれる中、ドイツの奇襲作戦があると上司に述べる。)
ロバート・ショー ヘスラー大佐(ドイツの戦車隊長、「空軍大戦略」では英国空軍パイロットだったが、がらりと変わった。ドイツ軍人に化けるコツは髪形だな。他に「ジョーズ」)
ロバート・ライアン グレイ将軍(カイリーの理解者、「無法の拳銃」「拳銃の報酬」「北海の果て」)
ダナ・アンドリュース プリチャード大佐(カイリーの上司、「我等が生涯最良の年」「ローラ殺人事件」))
ジェームズ・マッカーサー ウィーヴァー中尉(はじめはひよっこの将校だったがマルメディの虐殺を生き延びて、成長する。彼が一番美味しい役だった。他にTV「ハワイ5−0」)
ジョージ・モンゴメリー ドゥケイン軍曹(マルメディの虐殺で命を落とす。西部劇に多数出演。)
チャールス・ブロンソン ウォレンスキ少佐(歩兵隊を率いるが捕虜になる。)
タイ・ハーディン シューマッハ中尉(MPに化けて連合軍を混乱させる。)
テリー・サバラス ガフィー軍曹(荒井注にそっくりな戦車長)
ピア・アンジェリ ルイーズ(何故かテリー・サバラスの恋人、史実ではアンブレーブの町唯一の生き残り。)
バーバラ・ヴェルレ エレナ(ヘスラーに提供された高級娼婦)

ジェームス・ディーンの恋人だった、イタリア人女優ピア・アンジェリは1シーンの登場だった。
(ピアが不安定なジェームスを振ったとも、カソリックであるピアの母親がクエーカー教徒であるジェームスとの仲を割いたとも言われている。)
年を取っていた(33歳)が、やはり美しい。
この映画は中途半端に終ったが、唯一の成功は彼女の起用だ。
彼女にとっては、最後のアメリカ映画でもある。
(でも最後のキスの相手をテリー・サバラスにすることはないではないか。)
こういう人が数年後に、自ら命を絶ったとは信じられない。

バルジ大作戦 1965 ワーナー

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