トム・クルーズが、アレハンドロ・アメナバル監督の1997年作品「オープン・ユア・アイズ」(スペイン映画)の映画化権を得て製作・主演を務めた異色心理SF映画。
監督・脚本はキャメロン・クロウ。
主演はトム・クルーズ。共演は、オリジナルで美女ソフィア役を演じたペネロペ・クルスが再演。やはりラテン系の血が流れるキャメロン・ディアスが助演。
あらすじ
デヴィッドは、亡き父が設立した出版社の社主として、リッチな生活を送っていた。いまは、ジュリーと交際している。ところがデヴィッドは、パーティーに友人ブライアンと一緒にやって来たソフィアを愛してしまう。だから、もうジュリーは、用済みである。
デヴィッドの前に、今やストーカーと化したジュリーが現れる。ジュリーは言葉巧みにデビットを車に誘い、走り出すと無理心中するために車ごと橋からダイブする。
ジュリーは死に、デヴィッドは一命を取り留めるが、美形を誇っていた顔が醜く歪んでしまった。
デヴィッドは、外出時は顔を隠して無表情に見える白マスクをつけている。デヴィッドの持っている会社は、デヴィッドが気が狂ったと言って役員たちがクーデターを起こし、会社を奪いそうになることもあったが、顧問弁護士が阻止してくれた。
意を決してデヴィッドは、ソフィアにデートを申し込みに行く。クラブへ行くと、ソフィアはブライアンと一緒だった。ブライアンは、デヴィッドの心の傷を理解せず、ソフィアも以前と違う態度を取る。いたたまれなくなったデヴィッドは酔い潰れるが、ソフィアとブライアンはデヴィッドを道端に放置して、二人で今頃よろしくやっているだろう。
「目を覚まして」翌朝デヴィッドはソフィアの声で目を覚ました。ソフィアは、なぜか昨日と打って変わって、デヴィッドを支えたいと告白する。デヴィッドは、ソフィアと幸せに暮らし始める。
デヴィッドは、ついに顔面形成手術を受けて、元の顔を取り戻した。二人に以前のような穏やかな生活がやって来る。
ある夜、デヴィッドは、自分の顔が崩れる夢を見る。デヴィッドは目覚めて、鏡で自分の顔を見る、自分の顔は変わっていなかったが、ソフィアの代わりにいたのは、死んだはずのジュリーだった。そのうえ、ジュリーは自分をソフィアだと言い張る。
デヴィッドは、ジュリーを暴行して、警察に逮捕される。顧問弁護士が警察に頭を下げて、デヴィッドは釈放される。
数日後、再びソフィアが現れる。愛し合う二人だったが、途中でその顔はジュリーへと替わってしまい、デヴィッドは絞殺してしまう。ところが、死んでいたのはソフィアだった。
デヴィッドは、再び警察に逮捕される。デヴィッドは、精神科医マッケイブに相談する。謎を解くカギは、エルイーという言葉だった・・・。
雑感
バニラ・スカイとは、夜明け前の青く白んだ空のこと。映画の中では、デヴィッドが母から相続した、モネの絵画のタイトルでもある。スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」の英語映画化権をトム・クルーズが買い取った。しかし、彼らには難しい映画だったようだ。キャメロン・クロウが監督したところで、あまり面白くなかった。
要するに、夢✖️✖️だ。原作を知らない人も、最初のトム・クルーズとカート・ラッセルとの会話が、噛み合っていないことから、怪しんだ人も多いはずだ。
ペネロペ・クルスは、薄い体なのだが、男好きのする体型だ。お姫様抱っこできるほどしか、体重はないのだろう。
スタッフ
監督、製作、脚本 キャメロン・クロウ
製作 トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
製作総指揮 ジョナサン・サンガー
製作総指揮、音楽監修 ダニー・ブラムソン
撮影 ジョン・トール
音楽 ナンシー・ウィルソン
主題歌 ポール・マッカートニー「バニラ・スカイ」
キャスト
デヴィッド・エイムズ トム・クルーズ
ソフィア ペネロペ・クルス
ジュリー キャメロン・ディアス
マカビー精神科医 カート・ラッセル
友人ブライアン ジェイソン・リー
***
デヴィッドは、エルイー社を訪ねる。エルイー社は、コールドスリープしている顧客に生々しい夢を見せる会社だ。そこで、彼は全てを思い出した。
デヴィッドは、酔い潰れてブライアン、ソフィアと別れた後、一念発起して会社を立て直し、自分がいなくても立ち行くようにした上で、エルイー社と契約してから、自殺を図った。デヴィッドの体は、コールドスリープの状態に保存され、形成医療が進歩している未来に目覚めることになっている。
眠りについてから、すでに150年が経過していた。カプセルの中で幸せな夢を見続けるか、それと目を覚まし現実世界に戻るか。デヴィッドは、現実世界へ戻ることを決めた。
デヴィッドは、「目を覚まして」というジュリーが150年前に吹き込んだテープで目を覚ます。