ブロードウェイでの同名ミュージカル舞台劇を、アーヴィング・フレッチャーが脚色してジョージ・シドニーが監督した青春ミュージカル映画
作詞作曲はチャールズ・ストラウスリー・アダムスで、音楽監督・指揮はジョニー・グリーン

主演はアン・マーグレット、ジャネット・リー、ディック・ヴァン・ダイク(彼は、ブロードウェイで同役を演じた)。
共演はモーリン・スティプルトンジェシー・ピアソン、エド・サリヴァン。カラー映画。

アン・マーグレットボビー・ライデルジャネット・リーらが、「ワン・ボーイ」「ワン・ラスト・キッス」「バイ・バイ・バーディー」「ザ・テレホン・アワー」などの曲を聞かせてくれる。

あらすじ

人気ロックンローラーのコンラッド・バーディーが軍に徴兵されるというニュースが流れ、ファンは悲しみに包まれる。作曲家のアルバートとその秘書で恋人のローズは、エド・サリヴァン・ショーにバーディーを出演させ、ファン・クラブの会員1人とお別れのキッスを交わす企画を提案する。それに対して、テレビ局も乗り気になる。
ファン・クラブを代表するのは、オハイオに住むキムに決定される。番組を明後日に控えて、早くもバーディーやアルバート、ローズはリハーサルのために先乗りして、キムの自宅に厄介になる。

翌日は、ショーのリハーサルである。それを見ていた彼女のボーイフレンド、ヒューゴは、彼女の唇を奪われるのが面白くない。二人の仲も、しっくり来ない。
また、肥料の販売をしている彼女の父親も、バーディに一部屋を占領されて、腹を立てている。アルバートは、父親にテレビに登場したら商売が繁盛すると言って宥める。大学で化学を専攻していたので、キムの弟のためにペットの亀用の強壮剤を作ってあげる。すると、亀は元気になって走り出した・・・。

雑感

アン・マーグレットは、子供の頃、スウェーデンからアメリカに移住した。だから、訛はほとんどない。まず1961年歌手からデビューして、女優業に進出する。
ボビー・ライデルも、1960年代前半の人気若手歌手である。二人とも実力のある歌手だ。
この映画は、この二人とディック・ヴァン・ダイク、ジャネット・リーの中年コンビが引き起こすミュージカルだ。
エルビス・プレスリーらアイドルが軍への徴兵のたびに繰り返される女性ファンの起こす集団パニックを背景にして二組のカップルの行く末を描いている。

アイドルに夢中だったが、好きなBFが出来て娘がアイドルに別れを告げる曲「バイ・バイ・バーディ」も良いのだが、この映画の見どころは、新人アン・マーグレット、ボビー・ライデルにベテラン女優ジャネット・リーを加えた三人で「ワン・ボーイ」を歌い上げるシーンが一番だと思う。

ダンスでは、アン・マーグレットのダイナミックでキレッキレのダンスが最高だ。

この映画の翌年、エルビス・プレスリー映画「ラスベガス万才」でアン・マーグレットは、プレスリーも顔負けの歌声とキレッキレのダンスでプレスリーを圧倒する。

 

スタッフ

製作  フレッド・コールマー
監督  ジョージ・シドニー
脚本  アーヴィング・ブレッチャー
原作戯曲  マイケル・スチュワート
撮影  ジョゼフ・バイロック
作曲  チャールズ・ストラウス
作詞  リー・アダムス

 

キャスト

 

キム・マカフィー  アン・マーグレット
ローズ  ジャネット・リー
アルバート・パターソン(ローズの恋人、作曲家)  ディック・ヴァン・ダイク
パターソン夫人(アルバートの母)  モーリン・スティプルトン
ヒューゴ・ピーボーイ(キムの恋人)  ボビー・ライデル
コンラッド・バーディ(人気歌手)  ジェシー・ピアソン
マカフィー氏(父)  ポール・リンド
マカフィー夫人(母)  メアリー・ラローシュ
クロード・ペイズリー  マイケル・エヴァンス
ボブ・プレッチト  ロバート・ペイジ
指揮者ボロフ  グレゴリー・モートン
ランドルフ・マカフィー(弟)  ブライトン・フロム
エド・サリヴァン  本人

***

アルバートの母が、息子を訪ねてくる。息子は、母親の言いなりである。母親が、芸人上がりだから、大して好きでもない芸能界に入ったのだ。だから、彼の母親とローズは、あまり上手く行っていない。ローズは、ムッとして一人で街に遊びに出かける。そこでトルコ人の集会に絡んで襲われそうになる。急を聞いてアルバートが助けに入るが、逆に昏倒させられ、ローズに助けられる。

当日、エド・サリヴァン・ショーの本番が始まる。ところが、ソ連のボリショイ・バレエ団の演奏が長引き、このまま行くとバーディーのシーンがカットされそうだ。そこでローズが、アルバートの調合した強壮剤をミルクに入れて指揮者ボロフに飲ませる。
すると、バレエの演奏テンポが急に速くなって、すぐ終わってしまう。
いよいよバーディーのコーナーだ。しかし、キムにキッスするというシーンでヒューゴが飛び出しバーディーを殴り倒してしまう。結局、アルバートの芸能界での再起を賭けた企画は失敗してしまった。
だが、アルバートの母が資産家と再婚を決めて、アルバートのことを構わなくなった。そこでアルバートは、化学者として再出発することやロージーと結婚することを母親に認めてもらう。キムとヒューゴも、元どおりの恋人に戻った。

 

 

 

 

 

 

バイ・バイ・バーディー Bye Bye Birdie (1963) コールマー・シドニー・プロ製作 コロンビア配給 アン・マーグレット主演ミュージカル映画

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