(☆)少女探偵ナンシー・ドリューが、呪われた屋敷を調査すると・・・。
1930年に書かれた「少女探偵ナンシー・ドリュー」第二弾小説の映画化作品。(1939年に続く二度目の映画化である)
ニーナ・フィオーレとジョン・へレラの脚本をカット・シーが監督する。
主演はソフィア・リリス。
共演はゾーイ・ルネー、マッケンジー・グレアム、ローラ・スレイド・ウィギンズ。
あらすじ
16才のナンシー・ドリューと弁護士の父カーソンは、シカゴからリバーハイツに引っ越してきた。シカゴで母を亡くしたためだ。
田舎町リバーハイツは、鉄道敷設賛成派と反対派で争っていた。カーソンは賛成派に属していたが、反対派に雇われたウィリー・ワートンは、代わりにナンシーを路地に連れ込み脅そうとした。
ナンシーは、悪戯の罰で社会奉仕活動をさせられているときに、老女フローラと出会う。彼女の住んでいる屋敷は呪われていて、超常現象がたびたび起きると彼女は言う。そこでナンシーは、フローラの屋敷で彼女の姪ヘレンと不寝番をした。すると、ライトが付いたり消えたり、引き出しが開いたり締まったり、マントを着た人物が現れナンシーに探偵の真似は止めるように告げた・・・。
雑感
「少女探偵ナンシー・ドリュー」シリーズは、1930年頃から戦後まで、アメリカの女子学生向けミステリー小説として知らない女の子はないベスト・セラーだった。最近、時代に適応した形でリメイクされてテレビドラマ化や映画化がされている。
この作品は、原作の第二作目にあたる。
フローラは、ずいぶんここに住んでいるのだから、一度修繕していれば、隠し部屋があることぐらいわかりそうなものだ。他にもありそうにない設定が多い。80年前の小説を現代に翻案しようとしても、至る所に穴が目立つ。1930年代の設定でドラマを作った方が上手くいったはずだ。
とはいえ、自分の家の中に秘密の部屋があることは、子供にとって夢だった。昔、住んでいた部屋に空かずの部屋があったが、筆者は親に内緒で潜り込んで宝物を見つけたものだ。
そう言うワクワク感を当時の読者である少女たちは抱いていたのだろう。最近のマンション住まいの少女には、あまり関心を持たれないだろうが。
同年に始まったテレビ・ドラマシリーズの美人主役と比べて、主役のソフィア・リリスは魅力に欠ける。個人的にナンシー・ドリューは、キルステン・ダンストの若い頃のイメージだ。その分、ヘレン・コーニング役のローラ・スレイドの魅力で取り戻している。
スタッフ
監督 カット・シー
脚本 ニーナ・フィオーレ、ジョン・ヘレナ
原作 エドワード・ストレイトメイヤー、キャロライン・キーン 「ナンシー・ドリュー 秘密の階段」
製作 エレン・ドゥジェネールス、ジェフ・クリーマン、チップ・ディギンズ
撮影 エド・ルーカス
音楽 シェリー・チャン
キャスト
ナンシー・ドリュー ソフィア・リリス
ジョージ・ファイン(探偵団) ゾーイ・レネ
ベス・マーヴィン(探偵団) マケンジー・グレアム
ヘレン・コーニング(リア充代表) ローラ・スレイド
カーソン・ドリュー(父) サム・トラメル
フローラ(老女) リンダ・レイヴィン
ハナ・グルーエン アンドレア・アンダース
ウィリー・ワートン(ヤクザ者) ジェシー・C・ボイド
マーチバンクス保安官 ジェイ・デヴォン・ジョンソン
パトリック副保安官 アンドリュー・マシュー
ネイト(父の友人) ジョン・ブライデル
バーンズ氏 ジョシュ・ドハーティ
デレク エヴァン・カストロー
***
翌日、ナンシーとヘレンが屋敷の周辺や地下室を調査すると、何者かが侵入して脅かしたことを発見する。そして友人に証拠品の鑑定を依頼すると、ナツメグの成分がエアコンの中に仕掛けてられていて、幻想を見せられていたことがわかる。
ナンシーは、父が行方不明になっていることに気付き、父の親友ネイトに尋ねるが、父はキャンプ場に泊まっていると言う。
ナンシーとヘレンは、父がチェック・インしたホテルに行くが、携帯が置き放しにしてあり、監視カメラにはワートンに連れ去られるところが映っていた。ナツメグを買った人物も、親友ベスとジョージによりワートンだとわかる。ナンシーは、フローラの屋敷の隠し部屋に父は捕まっていると察する。
ナンシーが、再びフローラの屋敷に行くと、ワートンとネイトが父とフローラを人質として捕まえていた。ナンシーは、犯人をたちを誘き出して、ヘレンがトラップに陥れた。そして父とフローラを救出し、保安官がワートンとネイトを逮捕した。
翌日、ナンシー、ベス、ジョージの少女探偵団は、ヘレンの入団を歓迎し、次の冒険について計画を練っている。