1956年「トロイのヘレン」という映画があった。パリス王子がヘレンとともにギリシャを脱出しトロイに戻るが、ギリシャはトロイを滅亡させるため、はるばるエーゲ海を東に進んで攻め込む。トロイは得意の籠城戦とするが、ギリシャは木馬を作って献上下。しかし木馬内部にはスパイが隠れており、夜中に城門の鍵を内から開けてトロイを滅ぼした。イタリアの大女優ロッサナ・ポデスタ(黄金の七人)のハリウッドでの出世作である。
2004年のこの作品は演出が大きく違って、トロイ戦役とアキレスの最期を、ギリシャ神話視点ではなくミケーネ文明後の歴史視点で描いている。
ペーターゼン監督得意の特撮で描いたため、やや大雑把。
トロイ上陸作戦はノルマンディ上陸作戦を思わせた。ギリシャはどうしてトロイの守備が手薄な場所を知っていたのであろう。アイゼンハウワーみたいな智将がいたのだろうか?オデッセウスかな?
これじゃあ、トロイがギリシャをなめていると思われても仕方がない。
塩野七生の批判はアキレスの死に方のことだ。トロイの英雄ヘクトルを決闘で殺した後、パリス王子に暗殺されるのがギリシャ神話だが、この作品では決闘後アキレスは生き延びて、厭戦気分となり、木馬から宮殿へ攻め込むときに巫女プリセイスを助けるため出陣して逆にパリスに殺される。
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
脚本 デヴィッド・ベニオフ
製作総指揮 ブルース・バーマン
配役
アキレス -ブラッド・ピット
ヘクトル -エリック・バナ
パリス -オーランド・ブルーム
ヘレン -ダイアン・クルーガー
オデュッセウス- ショーン・ビーン
アガメムノン -ブライアン・コックス
プリアモス -ピーター・オトゥール
メネラオス -ブレンダン・グリーソン
テティス -ジュリー・クリスティ
ブリセイス- ローズ・バーン