1980年代にアフガニスタンをソ連の魔手から救うために議会を動かした米下院議員チャーリー・ウィルソンの実話を映画化。ジョージ・クライルの原作を「ア・フュー・グッドマン」のアーロン・ソーキンが脚色し、監督は「卒業」のマイク・ニコルズ。
製作者でもあるトム・ハンクスが「英雄色を好む」主人公チャーリーを演じる。共演はCIA役のフィリップ・シーモア・ホフマン、テキサスの大富豪役にジュリア・ロバーツ。
あらすじ
1980年ごろ、酒と女に目がなくと書く羽目を外してマスコミに追われている、テキサス州選出下院議員チャーリー・ウィルソン(民主党)が、テレビを見ると、CBSニュースのダン・ラザーがソ連の侵攻を受けたアフガニスタンの悲惨な現状をリポートしていた。気の毒に思ったソ連の暴走を止めないと、彼らはペルシャ湾に達するとと危惧したチャーリーは闇の防衛予算を倍に増額した。
すると地元の大富豪でありチャーリーのスポンサーでもあるジョアンは生粋のプロテスタントだが、アフガニスタン通でもあり早速、パキスタン首相との会談をセッティングしてきたからさっさと行けと言われる。パキスタン首相に会うと、500万ドルを1000万ドルにしたぐらいで勝てるわけがないと責められる始末。翌日、アフガニスタン難民キャンプを訪れたチャーリーは彼らの悲惨な姿を目の当たりにしてソ連の脅威をまざまざと感じ取る。
チャーリーはワシントンに帰って、CIAのアフガニスタン担当職員を呼びだす。職員ガストがチャーリーの事務所にいる最中もチャーリーはコカイン使用の疑いで検事から厳しい追及の電話がされていて、女性秘書四人組(チャーリーズ・エンジェル)が公表する文章を添削していた。チャーリーはガストにソ連の攻撃ヘリを倒すにはどうすればいいと聞く。ガストはCIAの専門家を紹介し、ソ連兵器を買っているエジプトなどに兵器を譲ってもらうことを提案する。そこでチャーリーは関係する各国(イスラエルも含む)に買取の申し出をする。その一方で闇の防衛委員会の委員長ドク・ロングを動かし、予算の大幅増額を勝ち取り、買い取ったソ連製対空砲をアフガニスタンの軍閥に贈与する。
その効果はすぐに現れ、ゲリラはソ連の戦闘ヘリを撃退した。
そして数年してソ連は国内の不況もあり、ゴルバチョフは派遣軍を撤退させる。1991年にはソ連やベルリンの壁は崩壊する。
やがて彼は、CIAによって民間人として初めて表彰される。ガストはチャーリーに次の作戦を提案する。それはアフガニスタンに学校を建てることだ。しかし闇の委員会はチャーリーの提案を否決した。
雑感
実話の正確な映画化は、地味なものだ。
アメリカがアフガニスタンの民主化を怠ったため、アルカイダがアフガニスタンに拠点を持って勢力を増し、911同時テロにつながるわけだ。アフガニスタンの軍閥はアルカイダと繋がっていたことはわかっている。
チャーリーは一旦は栄誉を受けるが、アルカイダとの戦争にアメリカを巻き込むことになる。
まるで塞翁が馬である。
映画としては「チャーリーズ・エンジェル」の実話と思って見てしまった。ジュリア・ロバーツは初ビキニだったそうだ。歳を取って、痩せすぎていた。エミリー・ブラントが最初にセクシーな姿で出てくるが、それっきりだった。
不真面目な下院議員なのだが、実際の陰謀に関わる政治家というものがどういうものかわかった。
スタッフ
監督 マイク・ニコルズ
脚本 アーロン・ソーキン
製作総指揮 セリア・コスタス 、 ライアン・カヴァナー 、 ジェフ・スコール
製作 トム・ハンクス 、 ゲイリー・ゴーツマン
原作 ジョージ・クライル「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」
撮影 スティーブン・ゴールドブラット
プロダクション・デザイナー ヴィクター・ケンプスター
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
キャスト
下院議員チャーリー・ウィルソン トム・ハンクス
富豪ジョアン・ヘリング ジュリア・ロバーツ
CIAガスト・アブラコトス フィリップ・シーモア・ホフマン
秘書ボニー・バック エイミー・アダムス
クリスタル・リー ジャド・テイラー
ジェーン・リドル エミリー・ブラント
チャーリーズ・エンジェル ウィン・エベレット
チャーリーズ・エンジェル. マリー・ポナー・ベイカー
チャーリーズ・エンジェル. レイチェル・ニコルズ
チャーリーズ・エンジェル シリ・アップルビー
パキスタン大統領ジア・ウル・ハク オーム・プリー
イスラエルの武器商人ズヴィ ケン・ストット
下院・国防歳出小委員会議長ドク・ロング ネッド・ビーティ