ロマン・ポランスキー監督が作った、ヨーロッパのフィルム・ノワールの雰囲気をたたえたアメリカ・ハードボイルド映画だ。
当時のニューシネマを代表するジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイ、そして大御所ジョン・ヒューストン出演。
あらすじ
1930年代、場所はロスのチャイナタウン。
探偵事務所を開くギテスの前に女が現れた。
「水道局長である夫モーレイの浮気調査をして欲しい。」
確かに夫は女と会っていた。すぐに彼の醜聞が新聞に載る。
ところが水道局長の妻イブリンは、依頼者とは全くの別人だった。
さらに水道局長は溺死体で発見される。
彼はダム工事の汚職問題で追いつめられていた。
改めて水道局長の妻から調査依頼を受けたギテスは、彼女の父の元へ乗り込む。
すると父クロスは、消えた彼の愛人が鍵を握っているという。
改めてイブリンを問い詰めると、彼が一緒に写っていた相手の女性はイブリンが15歳の時にクロスに犯されて生んだ娘キャサリンだった。父クロスの買い占めた土地に水道を引かせようとしたが、夫モーレイに拒否されて殺されたのだ。
警察はイブリンを容疑者と見ていた。ギテスの目の前でイブリンは警察から逃げようと車を走らせるが、警官に射殺される。
雑感
脚本はいかにも決してヨーロッパ風の警察小説でなく、アメリカのハード・ボイルドなのだ。しかし(西)ドイツのヴィム・ヴェンダース監督の「ハメット」もそうだが、ロマン・ポランスキー監督もヨーロッパの監督だからロサンゼルスの乾いた雰囲気を撮影から醸し出すのが苦手だ。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽が格好いい。
70年代ならではの音楽だが、ハードボイルドにこの音楽をかぶせることなんてなかなか思いつかない。
ややセピアカラーの彩色もよかった。
政治がらみの問題と思わせておいて、実は金持ちの下半身の問題が絡んでくると言うのも、日本の社会派推理小説に通じる。
スタッフ
監督ロマン・ポランスキー
脚本ロバート・タウン
音楽ジェリー・ゴールドスミス
キャスト
イヴリン フェイ・ダナウェイ
父ノア・クロス ジョン・ヒューストン
エスコバー警部補 ペリー・ロペス
チャイナタウン
昼があれば夜が来るように、光があれば闇も存在します。ハード・ボイルド独特の暗く頽廃的な部分も、また人の持ち合わせている真実なのでしょう。
この映画の舞…
チャイナタウン
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