「オクラホマ!」のオスカー・ハマースタイン2世リチャード・ロジャースが作詞作曲したミュージカル映画で、かつて劇映画化されたことのあるフィリップ・ストングの小説を、ソニァ・レヴィンポール・グリーンが改作し、作詞者ハマースタインが脚本を書き、ウォルター・ラングが監督、レオン・シャムロイテクニカラーで撮影した1945年作品である。

主演は「我等の生涯の最良の年」のダナ・アンドリュース、新人のジーン・クレインディック・ヘイムスで、共演はヴィヴィアン・ブレーンチャールズ・ウイニンジャーフェイ・ベインター

あらすじ

アメリカ中西部アイオワ州のある田舎。
フレイク夫妻の主人エイベルは年一回の州主催の品評会(ステート・フェア)で養豚の一等賞を、妻メリッサは漬け物で一等を取るのが夢である。友人デーヴ・フィラーはエイベルをからかって、一等は取れない、もし取れたら不幸が一家に降りかかると言ってエイベルと五ドル賭けをする。

一家はキャンピングカーでステートフェアに出かけた。
娘マージーはステート・フェアの記事を書きに、町から来た新聞記者パット・ギルバードに一目惚れする。彼女は彼が心の奥底は善良だと直感する。一方、パットは都会のすれっからし女にない純情さを彼女に見出して気になって仕方がない。

息子ウェインは歌手のエミリー・エドワーズが好きになり、2人で合唱するのに夢中である。

フェア最終日ではエイベルの出品したブルー・ボーイ号は優勝した。前日にはメリッサの漬け物も特別賞を取っていた。
ところがマージーが会う約束をしていたパットが消えて、更にウェインもエミリーが離婚相手とまだ別れていないと知って失望する。メリッサは子供たちが心痛の種だ。

しかしパットはシカゴの新聞社にコラムニスト試験で呼ばれていた。翌日、一家が地元へ引き返して来ると、早速デーブ・フィラーが揶揄いに来る。
そこへパットからマージーに結婚を申し込みに両親を訪問したいが道が分からないと連絡があり、マージーはデーブの車で飛び出して迎えに行く。
デーブはエイブルに渋々5ドルを支払う。
ウェインも純真なエリナーという田舎娘を連れて帰ってくる。秋なのにフレイク家は春が来たようだ。

雑感

フィリップ・ストングの原作は、1933年「あめりか祭」でフォックスがストレート・プレイとしてジャネット・ゲイナー主演で映画化された後、12年後にこのミュージカル映画「ステート・フェア」としてリメイクされた。さらに20世紀フォックスは、1962年再びミュージカルとしてパット・ブーン、アン・マーグレット主演でリメイクしている。

話の筋は他愛もないのだが、MGMのバックステージ・ミュージカルの反動で、各社は田舎ミュージカルを作り始めた時期だ。
シカゴのあるイリノイ州の隣にあるアイオワ州のステート・フェアでの二日間に子供たちがそれぞれ異性と出会い、大人になっていく姿を描いている。
ロジャース=はま曲は6つかかっている。そのうち劇中でジーン・クレインが歌った(吹替はルアンヌ・ホーガン)「春の如く」(It might as well be Spring)がアカデミー歌曲賞に輝いた。作詞作曲はもちろんオスカー・ハマーステイン2世リチャード・ロジャーズだ。

ジーン・クレインは戦後から1950年代前半の大スターだ。彼女のセミロング・ヘアーの褐色が美しい。歩く度にヘアーがゆれる様は、何とも言えず素敵だ。

赤毛のヴィヴィアン・ブレインの夫はマクギー役のフランク・マクヒューなのか。
パット役のダナ・アンドリュースも歌は吹替である。

脇役はチャールズ・ウィニンジャー、フェイ・ベインター、ドナルド・ミークとか楽しい顔ぶれが並んでいる。

スタッフ

製作ウィリアム・パールバーグ
監督ウォルター・ラング
脚本、作詞オスカー・ハマースタイン2世
脚本ソニア・レヴィーン、ポール・グリーン
原作フィリップ・ストング
撮影レオン・シャムロイ
音楽リチャード・ロジャース
音楽監督アルフレッド・ニューマン、チャールズ・ヘンダーソン

 

キャスト

妹マーギー・フレイク:ジーン・クレイン
新聞記者パット・ギルバート:ダナ・アンドリュース
兄ウェイン・フレイク:ディック・ヘイムス
歌手エミリー・エドワーズ:ヴィヴィアン・ブレイン
父エイベル・フレイク:チャールズ・ウィニンジャー
母メリッサ・フレイク:フェイ・ベインター
料理コンテスト審査員長:ドナルド・ミーク
NYの作曲家マクギー:フランク・マクヒュー
父の友人ディヴ・フィラー:パーシー・キルブライド
兄のGFエリノア:ジェーン・ナイ

 

 

 

 

 

ステート・フェア State Fair 1945 20世紀フォックス製作・配給 セントラル映画社国内配給1948年

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