雪深い真冬のコロラドの閉鎖されたホテルの管理にやって来た親子三人を襲う恐怖を描いたホラー映画。
製作総指揮はジャン・ハーラン。若きスティーヴン・キングの原作小説を元に、スタンリー・キューブリックとダイアン・ジョンソンが脚色し、キューブリックが監督した作品。
主演はジャック・ニコルソン、共演はシェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザーズ。
米国公開版は143分だが、日本でも公開された国際版は119分にカットされている。
あらすじ
売れない作家ジャック・トランスは、コロラドの名門ホテルで支配人を訪ね、ジャック一家が雪のためにホテルを閉鎖する1月から5月まで、ホテルの管理人として親子三人で住み込むことを話し合っていた。しかし支配人は、1970年に管理人だったグレイディが雪により閉鎖空間となったホテルで発狂し、妻と二人の娘を殺し、最後は自殺したと言う話をした。しかしジャックは、ハナで笑う。静かな場所で彼は、自作の小説を完成させるつもりだ。
ジャックと妻ウェンディの間に生まれた息子ダニーは、未来を視る超能力を持っていたが、誰にも言わなかった。ホテルに行く事を考えると、何故かエレベーターから滝のように流れ出る血や、不気味な双児の少女が並んで立っている姿が見えるのだった。
やがて、一家は山中のオーバー・ルック・ホテルに到着し、5ヶ月間の三人だけの生活が始まる。黒人コックのハロランが最後に去る時、ダニーは彼から「シャイニング」という過去視の話を聞く。ダニーは気になっていた237号室のことを尋ねると、ハロランは驚愕した。それが、かつて事件があった部屋だったからである。
ジャックは文章を書き始めるが、静か過ぎるホテルでは苛立つばかりで全く進まない。妻ウェンディにも、ジャックの不安が乗り移ったのか次第に心配になってくる。
237号に入ったダニーが何者かに傷付けられる。その頃にはジャックは、おかしくなっていた。ジャックが閉鎖されているはずのレストランに行くと、そこでグレイディが給仕をしていた・・・。
雑感
一応、ホラー映画ということになっている。スタンリー・キューブリック監督が得意とする構図を多用して、公開時に大ヒットした。でも見ていて、ヒッチコック監督の真似や応用みたいに思えた。ラストも、結末が見えてしまい、面白くなかった。原作者スティーブン・キングだって、まだ巨匠相手に喧嘩をできる立場でなかったが、怒っていたそうだ。
「シャイニング」ジャック・ニコルソンの悪役と、「サイコ」アンソニー・パーキンスの悪役を比較すると、後者の方が筋が良い。そのおかげで、真似されて同じパターンの映画が乱造された、
個人的には「シャイニング」より「2001年宇宙の旅」の方が、監督の意図と全く違った作品だったが、はるかに良かった。
女性は、この映画が怖くて印象に残っている人が多いそうだが、男性陣には効かないようだ。
スタッフ
製作総指揮 ヤン・ハーラン
製作、監督、脚色 スタンリー・キューブリック
脚本 ダイアン・ジョンソン
原作 スティーヴン・キング
撮影 ジョン・オルコット
音楽 ベラ・バートク、ウェンディ・カーロス、レイチェル・エルキンド
美術 レス・トムキンズ、ロイ・ウォーカー
キャスト
作家ジャック・トランス ジャック・ニコルソン
妻ウェンディ シェリー・デュヴァル
息子ダニー ダニー・ロイド
ハロラン(コック) スキャットマン・クローザース
ウルマン バリー・ネルソン
グレイディ(かつての管理人) フィリップ・ストーン
ロイド(バーテン) ジョー・ターケル
医師 アン・ジャクソン
デューキン トニー・バートン
***
ウェンディは、彼の何百枚もの原稿用紙を覗き見た。それは、同じ言葉で埋め尽くされていた。彼は、全く書けなくなっていたのだ。慄くウェンディをジャックが襲った。ウェンディは、ダニーを窓から外に逃がした。
そのころ、通信が途絶えたホテルに向かっていたハロランが到着した。ジャックは、ハロランを見るや斧でぶった斬った。
ダニーは、庭にある迷路に逃げ込んだ。ジャックは追うが、迷路にすっかり迷ってしまう。迷路から脱出したダニーは、ウェンディと合流して、ハロランが乗ってきた車に乗り込み、ホテルを後にした。
翌日、迷路の中ではジャックが、凍りついていた。