ドナルド・ハミルトン原作のマット・ヘルムを主人公とする小説シリーズ第5作「殺人部隊」を、ハーバート・ベイカーが脚色し、ヘンリー・レヴィンが監督したスパイ映画。製作は前作「沈黙部隊」に続いてアーヴィング・アレン。
主演はディーン・マーティン。
共演はアン・マーグレット、カール・マルデン、スウェーデン生れのカミラ・スパーブ。カラー映画。
あらすじ
大都市を一瞬に破壊し尽くす光線を使って世界征服を図る、謎の集団が現れた。彼らは、まず各国のスパイを消していった。マット・ヘルムも襲撃されるが、何とか生き残る。
ICEの上司マクドナルドによると、集団の本拠地はリビエラらしい。彼らは、有名な科学者ソラリス博士がその地で誘拐していた。マットは、ICEのエージェントであるドミニクを訪れたが、すでに殺されていた。ドミニクの部屋を出た直後、ドミニクの友人スージーと知り合った。
マットは、ゴーゴー喫茶でスージーと再会する。彼女は、ソラリス博士の一人娘スージーだった。
富豪ウォールと彼の愛人ココは、マットをドミニク殺しの犯人だと警察に告発するが、スージーはマットが犯人ではないと証言して疑いを晴らす。
ウォールは、リヴィエラ沖の小島にコンビナート工場を持っていて、秘かに光線兵器を生産していた。マットは早速、その工場内部を調査するが、捕まってしまう。しかし、敵はマットのことを知らなかったので、マットを解放する。その際、ソラリス博士の生存を確かめる・・・。
雑感
ディーン・マーティンのマット・ヘルム・シリーズ映画化第二弾。前回のステラ・スティーブンスに続いて、今回はアン・マーグレットが相手役だ。
ミュージカル映画「バーディー・バーディー」から3年、プレスリー映画「ラスベガス万才」から2年しかたっていないが、アンはずいぶんと大人びて見えた。恐らく化粧が濃すぎるのだ。アイドル性を完全に失っている。ただし、相変わらずゴーゴーダンスの切れ味は,彼女が最高だった。
それより、敵役のカミラ・スパーブが美貌と適度なお色気で良かった。アンと同じスウェーデン出身だそうだ。
ハーバート・ベイカーの脚本は随分、穴だらけである。
せっかく捕まえたマット・ヘルムを何故、何度も逃すのか?
また、肝心のアクションが間延びするので、編集が少ししっかりして欲しかった。
グループ・サウンズのディノ・デジ&ビリーが特別出演。
スタッフ
製作 アーヴィング・アレン
監督 ヘンリー・レビン
脚色 ハーバート・ベイカー
原作 ドナルド・ハミルトン
撮影 サム・リーヴィット
音楽 ラロ・シフリン
キャスト
マット・ヘルム ディーン・マーティン
スージー アン・マーグレット
ジュリアン・ウォール カール・マルデン
ココ・デュケント カミラ・スパーブ
マクドナルド(上司) ジェームズ・グレゴリー
ロビー・クラビツィット ビヴァリー・アダムス
ソラリス博士 リチャード・イーストハム
アイアン・ヘッド(殺し屋) トム・リーズ
マット・ヘルム・ガールズ
***
マットは、スージーを連れて、島に再侵入を図る。マットは、ICEの新兵器を使って敵の大軍と戦ったが、再び捕まってしまう。さらにスージーも捕まる。娘スージーを人質に取られて、それまで抵抗していたソラリス博士も集団の軍門に下り、光線兵器の運転の手助けをする。
しかし、マットは逃げ出して、集団を次々と倒す。追い詰められてホバークラフトで地中海に逃げたウォールをマットは追う。ついにマットは、ウォールを倒しホバークラフトを爆破して、海にスージーと飛び込む。マクドナルドが、ヘリで救助に駆け付ける。