シャーリーズ・セロンが綺麗だった。
Staff:
監督 ラッセ・ハルストロム ◎
製作 リチャード・グラッドスタイン
原作・脚本 ジョン・アーヴィング ○
撮影 オリバー・ステイプルトン
音楽 レイチェル・ポートマン
Cast:
トビー・マクガイヤ(ホーマー)
シャーリーズ・セロン(キャンディ)
デルロイ・リンド(ローズ氏)
ポール・バッド(ウォリー)
マイケル・ケイン(ラーチ医師)
ケイト・ネリガン(オリーブ)
☆
20年代、孤児院で育ったホーマーは、産科助手としてラーチ先生の元で働く。
彼らの診療所にキャンデイーとウォリーの若いカップルが堕胎にやってきた。
手術は無事済んだ。
ホーマーはウォリーたちと一緒に病院兼孤児院を出て行く。
何か新しいことがしたくなったのだ。
ホーマーは林檎園で働くことになった。
そこで黒人の娘ローズに世話になりながら、仕事を覚える。
やがてウォリーは出征し、キャンデイーは残った。
独り身をもてあますキャンディーはホーマーを誘惑する。
☆
堕胎と近親相姦をテーマにしたお話。
ラーチ先生はキリスト教を侮蔑しているが、その枠組からは一歩も出られない。
ホーマーも若い内は堕胎に対して批判的なことを言っていたが、結局、師と同じ道を歩む。
見ていると、箇条書きで企画を立てたような映画だ。
スウェーデンを代表する大監督ラッセ・ハルストロムの持ち味を生かしていなかった。
このあと、フランスを舞台にしたアメリカ映画「ショコラ」を撮るが、この方が遙かにハレストロムらしい。
J・アーヴィングの原作・脚本だが、「ガープの世界」のような分けのわからない話ではない。
確かに近親相姦だから、簡単な話とはいわないが、昔のかっとんだアービングの筆致ではない。
最初から映画向けに書いた話だろう。
監督も脚本も一流だったのに、プロデューサーが作品をダメにした好例だ。
ただ、カメラは良かった。
シャーリズ・セロンの美尻は、アングルの名画「グランド・オダリスク」を見ているようだ。
最近の日本人には裸女の背中を描くと言う発想はない。
だからぶっ飛んだ。(西洋だって古典主義のアングルが最初だ)
あれは映画史に残るシーンだろう。