エド・ウッドが監督したこの映画は、文化的にも同性愛と異性装というテーマに沿った、非常に興味深いドキュメンタリー映画になる「予定」だった。
単なる服装の嗜好であったり、同性愛が性転換に直結する場合もあれば、バイセクシャル的に性転換しない選択もありうることを昭和28年の世界に訴えたかったのだ。
日本では美輪明宏(丸山明宏)が銀巴里デビューしたが、まだDrag Queenでなくシスターボーイだった。
ところが、映画のプロデューサー、ジョージ・ワイスは営業目的で扇情的なカットを無理矢理挿入した。
具体的にはグレン(男装時の主人公)が精神科の先生に話を聞く際に、夢の描写なのか意味不明のカット(レイプシーン)をインサートして前後の繋がりを混乱させてしまった。
ただし、エド・ウッド自身も撮り直しをしない監督だったから、仕方なかったのだが。
自主製作フィルムのようなこの映画を見て、かえって映画の仕組や繋がりがよくわかるという皮肉である。
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監督・脚本:エド・ウッド
製作:ジョージ・ワイス
撮影:ウィリアム・C・トンプソン
美術:ジャック・マイルズ
編集:バド・シェリング
これは、映画「エド・ウッド」でも描かれた有名なシーンだ。
出演
ダニエル・デイヴィス(エド・ウッドの変名):グレン/グレンダ
ベラ・ルゴシ:人形使い
ティム・ファレル:オルトン博士
ライル・タルボット:ウォーレン警部
ドロレス・フラー:バーバラ(グレンの婚約者)
トミー・ヘインズ:アラン/アン
キャプテン・デ・ギータ:悪魔/グレンの父親
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グレンとグレンダ(Glen or Glenda)1953 アメリカ製作 服装倒錯と同性愛の関係