自主映画的なタイムトラベル系SF映画。劇団系の俳優が多く出演している中、声優の下野紘が主役を熱演。
監督は蜂須賀健太郎

あらすじ

2058年、博物館に忍び込んだ男を警備員が捕まえる。男は博物館に置かれているクロノス・ジョウンターという機械を使わせて欲しいと博物館長に頼み込む。そして吹原はその理由を話し始める。

1995年、住島重工の開発部門に勤めている吹原は研究所の近くの花屋で働く蕗来美子に想いを寄せていた。研究所では物質を過去に送ることの出来る、画期的なタイムマシン「クロノス・ジョウンター」を開発していた。
​しかし爆発事故で来美子は死んでしまう。まだ人体実験ができていないクロノス・ジョウンターに乗り込み吹原は来美子を救おうとする。
彼は事故直前の彼女に出会い、現場を離れるように言うが次の瞬間未来へ飛ばされてしまう。それは事故から二年後の世界だった。かつての同僚藤川に会い、事情を知る。事故以来クロノス・ジョウンターに乗り込んだ吹原は消えてしまったことになっていた。藤川に頼み込んで再度クロノス・ジョウンターに乗り込み来美子に出会うことに成功するが、また彼女を脱出させられず未来へ飛ばされる。しかも前回よりはるかに未来に飛ばされていた。会社に出向くと既に藤川は辞めていた。現役を終えて倉庫に仕舞われていたジョウンターを見つけ、吹原は三度来美子に出会う。しかし今回も頑固な彼女を助けることは出来ない。そして2058年に飛ばされて来たのだ。

館長は吹原の願いを聞き入れ、彼にクロノス・ジョウンターを使わせた。彼は乗り込み、来美子に会ってようやく脱出させることが出来たが、彼はさらにはるか未来へ飛ばされてしまう。

1995年に残された来美子はその後吹原の行方を追って、物理学者の道を選び、日夜研究に勤しんだ。

雑感

梶尾真治原作の連作短編集「クロノス・ジョウンターの伝説」の第一短編を映画化したもの。かつて演劇集団キャラメルボックスによって舞台化されてヒットした。
主演の選択が肝だと思うのだが、下野紘は最初から最後まで力み過ぎている。ストーカーに見えた。
なお第三短編「鈴谷樹里の軌跡」は2003年に「この胸いっぱいの愛を」(主演伊藤英明)として映画化されている。

スタッフ

監督 蜂須賀健太郎
製作 松井智 、 鈴木ワタル
企画プロデュース 大橋孝史
プロデューサー 高口聖世巨 、 横山一博 、 岩村修
脚本 太田龍馬 、 蜂須賀健太郎
原作 梶尾真治(「黄泉がえり」「クロノス・ジョウンターの伝説」)
撮影 古屋幸一

キャスト

吹原和彦 下野紘
蕗来美子 井桁弘恵
藤川雅則 尾崎右宗
館長 赤山健太
その他 岩戸秀年
五十嵐健人
寺浦麻貴

クロノス・ジョウンターの伝説 2019 ハピネット製作 パル企画配給

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