東宝創立35周年記念映画。
怪人ドクター・フーがキングコングを使役して究極の核物質を掘り出させようとする。
監督は本多猪四郎、脚本は木村武、特技監督は円谷英二である。
登場怪獣はキングコング、メカニコング、ゴロザウルス、大ウミヘビ。
主役はローズ・リーズン、宝田明、リンダ・ミラー。宝田明以外は無名でリンダはモデルらしい。
あらすじ
北極では怪人ドクター・フーが某国スパイであるマダム・ピラニアの資金援助で大型ロボット、メカニコングを作り、エレメントXという放射性元素を手に入れようとした。しかし放射能が強すぎてメカニコングがその度に停止するので、計画は失敗してしまう。
ネルソン司令官、次郎、スーザンの三人南海のモンド島で艦が故障し、ネルソン司令官、次郎、スーザンは島に上陸した。ネルソンは動物学者で、モンド島にキング・コングがいると考えていたのだ。思った通り、コングは現れた。コングは雄らしくスーザンに興味を持った。
ドクター・フーとマダム・ピラニアは、メカニコングの代わりにキングコングを使役することを考え、スーザンがコングをに指示出来ると知ると、コングを捕獲した。ネルソン一行もフーに捕われ北極に幽閉された。しかしコングは鎖を切って逃げ出し、海を泳ぎ東京に出現する。フーも東京へメカニコングを送り出し、キングコングと戦わせる。マダム・ピラニヤはこれ以上争っても無駄と悟り、ネルソン一行を逃がす。しかしマダム・ピラニアはフー一味に射殺される。
コングはメカニコングを高圧線に触れさせて破壊すると、東京沖にあったフーの船を沈めてしまう。そして、生まれ故郷に泳ぎ去るのだった。
雑感
ゴジラ、モスラなどレギュラー怪獣が登場しない怪獣映画の一つ。ＡＩ美空ひばりみたいな発想のメカニコングのアイデアから後のメカゴジラやメカキングギドラが生まれたのだろう。キングコングの生まれた島ではゴロザウルスも登場。
脚本はご都合主義に過ぎなかったが、悪役の方が面白い顔ぶれが並んでいた。浜美枝がスパイ「マダム・ピラニア」役で、天本英世が完全なヒールのドクター・フー役で、この衣装が仮面ライダーで着る「死神博士」のコスチュームとそっくりだ。衣装デザイン、グッジョブ！
他にも中堅の田島義文、堺左千夫、若手の黒部進らが工作員だった。
スタッフ・キャスト
監督 本多猪四郎
製作 田中友幸
脚本 馬淵薫(木村武)
撮影 小泉一
特技撮影 富岡素敬 、 真野田陽一
特技監督 円谷英二
音楽 伊福部昭
配役
カール・ネルソン司令官 ローズ・リーズン(声：田口計)
野村次郎一尉 宝田明
スーザン・ワトソン リンダ・ミラー(声:山東昭子)
マダム・ピラニヤ 浜美枝
ドクター・フー 天本英世
モンド島の老人 沢村いき雄
フーの手下 黒部進
フーの助手 田島義文
フーの助手 堺左千夫
警備本部長 北竜二
キングコング 中島春雄