昭和ガメラ映画の第七弾。この作品の後、大映が倒産するため、ガメラ・シリーズの公開は一旦途切れる。その後、大映が徳間書店系列に参加した1980年「宇宙怪獣ガメラ」(主演マッハ文朱)で復活する。
監督は昭和ガメラをほとんど監督した湯浅憲明。子供向け作品だが、1970年東宝から上映された「ゴジラ対へドラ」の社会派(公害反対)路線に影響されている。

あらすじ

海洋動物研究所の所員、石川博士とトム・ウォーレス博士はボートで沖へ向っていた。その時突然、ボートに忍び込んだ彼らの子供健一、ヘレンと一緒に海底に潜むジグラ星人と謎の女性X一号にさらわれた。
ジグラ星は海のある星だったが、文明が高度に進化して公害が進み、星からの移住を計画していた。そこで海のあって住みやすい地球を征服するため宇宙船でやって来たのだ。
石川とトムは催眠術をかけられたが、子供たちの機転と子どもの味方ガメラの出現で脱出に成功する。
早速、自衛隊によって宇宙人対策本部が設置された。しかし石川とトムは催眼状態から覚めなかった。ジグラ星人は健一とヘレンを殺すためX一号を地上に送った。
鴨川シーワールドの動物飼育係が意識がないのに自在に動き回る石川らがイルカと似ていると言い出した。そこで耳から入る信号で催眠洗脳状態に入ったと知った医師は、ある周波数の信号を聞かせて石川とトム、捕らえたX一号に逆催眼を施した。X一号の正体は月基地研究員の菅原ちか子だった。彼女も誘拐され洗脳されていたのだ。
ジグラの宇宙船はガメラに攻撃され、宇宙人は巨大化して怪獣ジグラとなった。ガメラは、ジグラに光線を浴せられ海中に落ち逆さまに沈んだまま動かなくなった。
ガメラの動静を確認するため、深海潜水艇に石川、トム、健一、ヘレンで深海に潜行したが、ジグラに襲われる。しかし落雷のショックで蘇ったガメラは、潜水艇を救出し、とうとうジグラを倒す。

雑感

申し訳程度に「自然を大切にしよう」と子供たちに訴えていたが、「ゴジラ対へドラ」と比較してあまり心に響かなかった。

鴨川シーワールドにオンブで抱っこの低予算映画。脚本にひねりがないし、ガメラのアクションももの足りない。
でもスケバン女優八並映子のピチピチタイツは見ものである。意外とスタイルも良い。
なお主役健一少年を演じた坂上也寸志は俳優坂上忍の実兄。才能の差は歴然としていた。

スタッフ

監督 湯浅憲明
脚本 高橋二三
撮影 上原明
音楽 菊池俊輔

キャスト

健一   坂上也寸志
石川博士 佐伯勇
トム博士 藤山浩二
ヘレン グロリア・ゾーナ
マージ アーリン・ゾーナ
健一の母 坪内ミキ子
女子大生 笠原玲子
仁右衛門 吉田義夫
女X一号 八並映子

ガメラ対深海怪獣ジグラ 1971 大映製作 ダイニチ映配配給

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