ホームレスの父娘が若き女性弁護士の車にはねられて、シカゴの高級マンションに保護される。しかし、こまっしゃくれた娘を見ているうちに女性弁護士の母性本能に火が点いてしまうハートウォーミング・コメディ。
製作・監督・脚本は80年代に「フェリスはある朝突然に」などの青春映画でヒットを飛ばし、90年代は「ホーム・アローン」シリーズでまた大ヒットをかっ飛ばしたジョン・ヒューズ。
主演はジェームズ・べルーシ、ケニー・リンチ、共演する子役はアリサン・ポッター。
あらすじ
ビルは捨てられていた女の子カーリー・スーと組んで当たり屋をしている。美人弁護士グレイの車に当たったフリをして、まんまと夕食をごちそうになる。ところが翌日、ビルは本当にグレイの車に跳ねられてしまう。気を失ったビルとスーはひとまずグレイの高級マンションで保護される。
しかしグレイにとっては、かえって幸運だった。それは彼女がカーリー・スーの愛らしさに惹かれていたから。ビルも職安に行き真当な職業を就いた。スーを学校に入れるためだ。グレイはそんなスーとビルとの繋がりにもいつしか親しみを感ずるようになってきた。
しかしグレイの同僚ウォーカーは、ビル達が邪魔になり、スーがビルに虐待されていると児相に密告した。ビルは逮捕され、スーは施設へ放り込まれる。グレイは弁護士事務所を退所して、保釈金を払ってビルを留置所から出し、スーを正式に引き取る。
三人は妙な同居人として生活をやり直し、スーは学校に通い始める。
雑感
よく出来すぎたコメディ。例えばNTVドラマ「パパと呼ばないで」(主演:石立鉄男、杉田かおる、松尾嘉代)のように、人間関係の変化を少しずつ感じられる一年物のホームドラマであれば、感情移入は容易である。
しかし1時間40分ほどの映画では、よほど脚本を丁寧に作らないと、いくら子供が可愛いと言ってもエリート弁護士がコブ付き無職男を同居するシチュエーションに蓋然性がないのだ。この話にはツンデレ要素もない。
しかも監督は製作、脚本を兼ねていてさらに「ホームアローン」が当たって第二弾の製作も迫っている。そんな中で丁寧に脚本を描くことは不可能だ。
というわけで、全米評価はかなり低かった。しかし日本では何も考えていないのか、安直な脚本でも人気は今も高い。お伽噺として割り切れば、それなりに楽しめる映画だ。
スタッフ・キャスト
製作・監督・脚本 ジョン・ヒューズ
製作総指揮 ターキン・ゴッチ
撮影 ジェフリー・L・キンボール
衣装デザイン マイケル・カプラン
音楽 ジョルジュ・ドルリュー
配役
ビル・ダンサー ジェームズ・ベルーシ
グレイ・エリソン弁護士 ケリー・リンチ
カーリー・スー アリサン・ポーター
ウォーカー・マコーミック弁護士 ジョン・ゲッツ
オクスバー フレッド・ダルトン・トンプソン
メートル キャメロン・ソー