日本のライトノベルが初めてハリウッド映画になった!
桜坂洋が2004年に発表したラノベ「All You Need Is Kill」がハリウッドのプロデューサーの目にとまり、10年経ってトム・クルーズ、エミリー・ブラント主演、タグ・リーマン監督で映画化された。
テーマは日本によくあるタイム・ループもの。何度殺されても自殺しても、主人公は同じ時点に戻って生き返る。初めは事態を受け入れられなかったが、何度も繰り返す内に何回も死に様を見ている女性を助けようと動き出す。
あらすじ
地球は「ギタイ」と呼ばれる宇宙生物により、滅亡の危機にあった。ところがウィリアム・ケイジ少佐はブリガム将軍に脱走兵の汚名を着せられ二等兵に降格されてしまう。
ウィリアムが配属された歩兵分隊はギタイ殲滅作戦に参加させられる。分隊の仲間も次々と戦死していく。ウィリアムも手榴弾でギタイと相打ちになって死亡する。
ところが次の瞬間、ウィリアムは出撃前日まで戻ってしまう。そして同じように戦場で戦死し、再び時間を遡る。ただし彼は前回のループまでの記憶を保持していた。
ループするたびウィリアムは戦い、人類の英雄であるリタを助けるようになる。するとリタは、死んだら私のところへ来てと言い、二人ともギタイによって殺される。
再会したリタは、以前アルファと呼ばれるギタイの大型種から血を浴びたことからタイムループ能力が備わったが、輸血をしたために、能力を失ったことを告白する。ウィリアムはリタの協力者であるカーター博士から、ギタイに勝利するためには「オメガ」と呼ばれる個体を倒せと告げられる。
ウィリアムはブリガム将軍から奪った逆探知装置を用いて、オメガ本体がパリのルーヴル美術館の地下にいることを発見する。しかしウィリアムは大怪我をして輸血を受けたことにより、タイムループ能力を失ってしまう。
二度とループできなくなったが、ウィリアムはパリへ乗り込む。オメガの近衛兵は手強く、リタを失いウィリアムはオメガと心中する。しかし死の直前、オメガの体液を浴びたことからウィリアムのループ能力は回復する。
そしてロンドンに到着してブリガム将軍に降格を命じられる前の時点まで舞戻る。その世界線では、人類はギタイに勝利したところだった。ウィリアムがリタに会いに行くと、彼女は見知らぬ男に対して怪訝な顔をする。それが可笑しくて仕方がないウィリアムだった。
雑感
ラノベの方は読んでいないが、あまり好きそうなタイプでない。タイムループ物なら「恋はデジャブ」の方が好きだ。
原作者も「恋はデジャブ」や北村薫の「ターン」を意識して書いたと言う。ただそこに宇宙人との世界大戦を持ち込んだ。
トム・クルーズは最初の頃は冴えないインテリ佐官だったが、次第に強靭な男に変身する。
エミリー・ブラントも初めは単なる肉食系だったが、ループを繰り返すうちにウィリアム二等兵に愛情を抱く。
連続ドラマで放送しても良かったと思う。
スタッフ・キャスト
監督 ダグ・リーマン (Mr. & Mrs. スミス)
脚本 ダンテ・W・ハーパー、ジョビー・ハロルド、クリストファー・マッカリー、ティム・クリング、ジェズ・バターワース、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
原作 桜坂洋『All You Need Is Kill』
製作 ジェイソン・ホッフス、グレゴリー・ジェイコブズ、トム・ラサリー、ジェフリー・シルヴァー、アーウィン・ストフ
製作総指揮 ジョビー・ハロルド
音楽 ラミン・ジャヴァディ
撮影 ディオン・ビーブ
配役
ウィリアム・ケイジ トム・クルーズ
リタ・ヴラタスキ エミリー・ブラント
ファレウ曹長 ビル・パクストン
ブリガム将軍 ブレンダン・グリーソン
カーター博士 ノア・テイラー
グリフ キック・ガリー
スキナー ジョナス・アームストロング
キンメル トニー・ウェイ