ご存じリンドバーグ事件を基にしたアームストロング事件なるアメリカの幼女誘拐殺人事件の犯人カセッティがオリエント急行で殺害された。しかし列車はユーゴスラビアで豪雪のため立ち往生してしまい、現地警察は一向にやってこない。そこで同乗していたポワロが推理に乗り出す。
有名な推理小説だが、豪華ラインアップに目移りして困ったアルバート・フィニー主演映画(1974)とは異なり、デビッド・スーシェ主演ドラマでは犯人捜しよりも、正義と罪の問題をポアロが苦悩する様を描くことで後半30分を割いている。
若い探偵トレントならいざ知らず、人生観の固まった年配の探偵が今さら苦悩するのかな?今までのポワロらしくない。限られた時間の中で性急に結論を求められていたかな。
コナン・ドイルは、「緋色の研究」や「恐怖の谷」などで、アメリカ新大陸人の復讐心を裁いた。でもアガサ・クリスティはこの原作で「あっさり」許している。
テレビ番組での結論は両者の中間的なものだ。
個人的には結論に不満を感じている。
デビッド・スーシェは本作品でポアロは打ち切りにしたかったそうだ。
よほど脚本と相性が合わなかったのだろう。ところが不思議なことに巷では評判が良いのだ。
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