2001年5月にオハイオで起きた鉄道暴走事故の実話を元にした鉄道パニック映画
脚本はマーク・ボンバック、監督はトニー・スコットで、この作品が監督の遺作である。
主演デンゼル・ワシントン、クリス・パイン

あらすじ

ペンシルベニア州の操車場で、ディーゼル機関車「777号」と荷を乗せた貨物列車を操車していると作業員のミスで無人走行を始めた。操車場主任コニーは惰性走行と考え、責任感の強い溶接工ネッドにポイントを切り替えて777号を側線に入れるように指示を出す。しかしポイントに到着すると予想される時間を過ぎても列車は来ない。コニーは、機関車がアクセルを入れた状態(力行)であって、すでに通り過ぎていたと悟る。

新人ウィル・コルソンは、車掌として配属され機関士フランクの機関車1206号に乗車する。ウィルは妻ダーシーと別居していて、今日は裁判の日だ。フランクもコスト削減のために整理される予定だった。

777号は、大量の有毒化学物質(フェノール)を乗せていた。万一、急カーブがあるスタントンの工場街を高速で通ると、曲りきれず大惨事が起きる可能性がある。ガルビン運行部長はヘリから機関士を列車に降ろそうとするが、作戦は失敗する。

フランクは、1206号を777号の後部に連結して逆加速度を与えて強制停車させることを提案し、ウィルと共に777号の追走を始める。スタントンへ侵入しようとする時、1206号が追いつき連結は成功する。

ウィルが各貨物列車の手動ブレーキを回して減速する方法を思いつき、フランクが実行する。そうして急カーブまでに列車を安全速度に減速させることに成功し大惨事を回避する。しかし1206号のブレーキが焼けて、再び加速を始める。

スタントンの市街地から住宅街に向けて突進を続ける777号のネッドが乗るトラックが追いつく。そこでネッドは、ウィルをトラックの荷台に乗り移らせ、777号の先頭まで行って、ウィルを777号の機関室に飛び移らせる。ウィルは777号のブレーキをかけ、ついに777号は停車した。

ウィル、フランク、ネッドの3人は賞賛を受ける。ウィルは妻との関係の修復に成功し、フランクの解雇も撤回され定年まで働くことができた。

 

雑感

暴走列車映画は単純な脚本だけれども、必ず手に汗を握ってしまうほど面白い。

アメリカでは2009年監督トニー・スコット、主演デンゼル・ワシントンの四度目のコンビで映画「サブウェイ 123激突」(1974年映画「サブウェイ・パニック」の二度目のリメイク)を公開したが、リメイクと言うことで興行成績はパッとしなかった。
「アンストッパブル」も同じコンビで同じ鉄道映画ということで、20世紀フォックスが製作予算を渋った。そのため一度ワシントンは降板するのだが、秘密契約にして再登板した。ちなみにワシントンは高所恐怖症だそうだが、列車間をジャンプで飛び移るシーンはスタントなしだそうだ。減らした映画のギャラに危険手当を追加してもらったのだろうか。

実際のオハイオの事件では、暴走していた777号が再加速したわけではなく、十分に低速になるのを待って、鉄道関係者が走って乗り移りブレーキをかけたそうだ。

スタッフ

監督 トニー・スコット
脚本 マーク・ボンバック
製作 ジュリー・ヨーン、トニー・スコット、ミミ・ロジャース、エリック・マクレオド、アレックス・ヤング
製作総指揮 クリス・シアッファ、リック・ヨーン、ジェフ・クワティネッツ
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影 ベン・セレシン

 

キャスト

フランク機関士  デンゼル・ワシントン
ウィル車掌   クリス・パイン
コニー主任  ロザリオ・ドーソン
ガルヴィン運行部長  ケヴィン・ダン
デューイ  イーサン・サプリー
ギリース  T.J. ミラー
溶接工ネッド  リュー・テンプル
バニー通信士  ケヴィン・チャプマン
ジャッド  デビッド・ウォーショフスキー

 

 

 

 

アンストッパブル Unstoppable 2010 スコット・フリー製作 20世紀フォックス配給 トニー・スコット監督の遺作

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