アジャ、、、パーという伴淳の名作ギャグをテーマにした、
斉藤寅次郎お得意のコメディである。
古川緑波、花菱アチャコ、益田喜頓、堺駿二、柳家金語楼、トニー谷という強力共演者を得ている。
二枚目は高島忠夫、三枚目がバタヤン田端義夫だ。
コメディのオールスターであり、泉友子と伴淳のデュエットシーンは楽しかった。
最後のドタバタアクションはやや長すぎた。
ここではやはり女優に注目したい。
まず奥さま役を演ずる初音礼子である。
「泥の河」にも出た大阪のおばあさん女優だが、ここでは夫花菱アチャコを尻に敷く役である。
昭和二十年代は東京でもこういう役で活躍していたのかと感動してしまった。
舞台で、こういう役を見たことがある。
続いて、清川虹子は戦争未亡人だが、夫田中春男が帰ってくるものと信じている。
シリアスな役だ。あまり笑いには関係していない。
さらに美人どころをいくつか。高島忠夫の恋人役星美智子は後年ちょっと癖がある毒婦役が多かったと思うが、この頃はかなり美人役だったのだ。
鼻が高くて、いかにも「昔の美人」である。
伴淳に愛される南寿美子は今も昔もヒロイン役にはピタリの美女である。
なお、原作はサトウハチローである。
アジャパー天国

監督 : 斎藤寅次郎
製作 : 杉原貞雄
原作 : サトウ・ハチロー
脚色 : 八住利雄
伴淳三郎 (ズンさん、主人公・バーのウェイター)
清川虹子 (田所ゆき、戦争未亡人?)
古川緑波 (土井一八、教師)
高島忠夫 (土井浩一、千春の恋人)
田中春男 (田所稔、やくざ)
内海突破 (西口貫一、やくざ)
田端義夫 (坂上、歌好きの学生)
花菱アチャコ (朝比奈篤雄、裕福な家の婿養子)
初音麗子 (茂子、裕福な夫人)のちの初音礼子
星美智子 (千春、朝比奈家の一人娘)
南寿美子 (小池厚子、学生。バーでバイトをしている。)
柳家金語楼 (金さん、ズンさんの兄)
堺駿二 (文吉、バーのオーナーの馬鹿息子)
益田喜頓(バーのオーナー)
泉友子 (おふく、歌うお手伝いさん)
トニー谷 (司会者)

アジャパー天国 1953 新東宝

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